自分の年齢は考えないようにして、図書館で目についたファッション本を借りております。
先日のように、ドンピシャリの本が当たると買いたくなり、売れているらしい本でも「はあ?」と思うところがあると、娘に見せて同意を請い。
やっぱりね、この年になると自分の好きな系統というのはハッキリしていますから、そこから大幅に外れていて、尚且つ、長年培った常識からズレていると、「なぜそうなる?」と言いたくなり。
20代半ばの娘の意見と解説を聞いて、流行や狙いに納得することもあれば、「やっぱり変だよね」と二人でこき下ろすことになったりもして。
ファッション本、合う合わないが面白いです。
そんな中で、こちら。
「スタイリスト竹村はま子の本当に好きな服」
竹村はま子著 光文社 2018年
「うれしい日もハードな日もファッションを味方につけて」という副題。
ファッションは、その通り味方に出来れば大変力強く。
しかしながら着るもの迷子期は、味方どころか敵に近かった気がします…。
この方がスタイリストとして活躍なさっている雑誌は、「STORY」とか「VERY」なので、私が手に取ることは基本なく、美容室で見ることがあるかないかぐらい。
でも、パラパラめくってみて、人気あるのが分かる気がしました。
カジュアル過ぎず、ほどよく綺麗め。私が30代だったら、支持したでしょうね。
「あ、なるほど、そのためか~」と分かったのが、この頁。
竹村はま子さんも「ヴァンテーヌ」のファンでした。ふふ。一緒。
私の方が、10歳弱お姉さんですが。
あと、もう一ヶ所。
「男子の母として、ファッションの難しさはあります」とあってね。
まさにその通りだったーと、ちょっと懐かしく思い出したり。
<背中の開いた服や肌の透けるレースなど、女っぽい服を着ると、子供たちに「キモ!」って言われます。男の子目線に、ハッとさせられる一瞬です。>
うちは、「キモ」とは言われませんでしたが、力入れて着飾ると、怪訝そうな顔をされました。
娘は、オシャレすればするほど喜んでくれましたが、息子はそうでもなく。
入学式と卒業式はスーツなので、ああいうきちんとした服装なら、幾ら力入れても良いんですけどね。女っぽいのが嫌みたいで。
保守的な男子からしたら、母親は少し地味くらいの方が良いかもしれないと分かってから、「見るからにオシャレしてます」は避けるようになり、地味になって行ったのを思い出しましたよ。
過去にそういう反応をする男子を持っていた母として、PTAでも野球のその場に丁度良いオシャレをしている竹村さんに好感を持ちました。
実際、場を弁えず頑張り過ぎるとイタイと思われてしまう年代でもあるんですよ。
小中学生の母親世代、PTA世代とでも言えばいいのかな?子供の数にもよるんですが、下は20代から上は50代までと、幅広いから余計感じるのかもしれませんねえ。
もう、とっくの昔、下の娘の中学卒業なんて10年も前の話なんですが、その頃から更年期不調と実父入院や義母介護やらが発生して、洋服のオシャレから遠ざかったのでした…。
私と似たような人も、きっと少なくないでしょうね。自分を優先出来ず、家族から望まれる役割をこなして行くうちに、自分を見失ってしまう。
洋服を買おう!と思った時、やっと自縛から逃れられて、自分のしたいことを少しずつ取り戻して行ければ良い、焦らなくて良いのだと思っている自分に気付きました。
着るものって、大事です。
さすが売れているスタイリストは違うと思わせてくれたのが、こちらの頁。
「いつもと違う私」という項。
ゆかたがとても似合っていらして。
まあ日本人の9割9分は、ゆかたを含む着物が似合わないはずはないと思うんですが、やっぱり組合せ方や色柄次第でもあるので、「ちょっと…」と思ってしまう人がいるのも事実。
その点、竹村さんはお見事!です。
お母様と30代になってから選んだ竺仙のゆかた。
それに合う帯を、ちゃんと専門家に探してもらったそうなんです。
プロだからこそ、プロの凄さを分かっていて。自分の専門外のものは、知ったかぶりせずにその道のプロに頼むという。そして慣れないゆかた選びには、客観視すべくお母様の意見も聞く。
これこそが、プロだと思いました。
良くお似合いでねえ~。この本の中で、一番好きなコーデです!
謙虚な姿勢があればこそ、プロとして認められ、長く活躍していけるのでしょうね。
私より10~20歳年下の人対象のスタイリングが多いので、雑誌で見て「真似したい」とか思うことはさすがに無さそうですが、そういう年代のオシャレの底上げに寄与して欲しいと思います。
竹村さんのコーデを見て、今年は着られなかったゆかた、来年は着たいなと思いました。
お読みいただき、ありがとうございます。
スタイリスト 竹村はま子の本当に好きな服 うれしい日も、ハードな日もいつもファッションを味方につけて
1,512円
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