図書館で借りた後、「買おうかな」と思う本は、稀です。滅多にありません。
それが珍しく今回、2冊も現れてしまいました。
「これ、これからも参考になるかも」と思ったのですから、大変有難く、買おうかどうしようか迷っているなんて、贅沢な悩みです。
その中の一冊が、こちら。
「99%の人が知らない 1%のおしゃれ術」
岡部久仁子著 株式会社KADOKAWA 2015年3月発行
題名のパーセンテージを真似して例えるならば。
もうね、単純に、こういう格好が好き!というのが99%。
残り1%は、このモデルさんも好き。
著者の岡部久仁子さんは、裏表紙の写真だとまだお若く見えるのですが、1987年にフリーとなられたそうですから、スタイリストとして早い独立ですよねえ?
30年以上も第一線でご活躍ですから、凄い方だと分かりますが、センスが抜群と思います。
当たり前ですが、「これは私には無理だわ」と思うものもあるのですが、それでも反感を抱かないのが、この方の凄さですよ。
「はああああ?」とか「おいおい…」というのが、無い!
今の時代、月間雑誌に成り代わり、こういうファッション系単行本、たーっくさん出ていますが、捲って見ると、「これ、ホントに良いと思って載せてます?」と言いたい頁も、ままあって。
私のような、分ければ保守的な方に入る50代から見て、「は?」と思うものに惹かれる人もいるのは分かっていますから、そういう面を差し引いたとしても、残ってしまうもの。
それが、この方のコーディネートには無いんです。
趣味の違い、好みの違い、体形の向き不向きはあれども、不快感が無い。
何故だろう…と考えたところ、清潔感かな?と思い至りました。
モデルさんが素敵なのも大きいんですが、とにかくきちんとしてるんですね。
だらしない感じが一切ないため、年齢的にどうなの?にならないんだなと。
私にとっては、それだけでもこの本を手に取った甲斐があるというもの。
キモノでも洋服でも、外に出て人さまの目に触れる時には、きちんとしていたいんです。
年々、どうしたって年を取ると、くすんで参りまして。「くすんでくる」とぼかして書きましたが、要は美しさがどんどん綻んでくるわけで。
よく、「イタリアやフランスでは、年齢が増すごとにオシャレを楽しんでいる」「若い頃より年を取ってからの方がオシャレ」だの何だのと言った具合の記事を見掛けます。そりゃそうでしょう、欧米には長年の蓄積がありますから。洋服自体の歴史が長いんだし。
とか何とか思うんですが、アレってメディアは分かってやってるんですよねえ?
外国人だって日本人だって、やっぱり地のままで美しいのは若い頃で、その美に陰りが見られるようになってくるから、手練手管でどうにか工夫するという流れでしょう。若い頃とは、肌や髪の艶は勿論、何より体型の崩れが大きいんですから。
それまで似合っていたものが、突然似合わなくなる恐怖は、欧米人でも同じで、洋服に関してのノウハウがあるだけのこと。
その力が、キモノ文化だった我々日本人には、消化して根付かせるまでに時間として、まだ少し足りなかっただけのことではないのかな?と。
ただまあ、年齢が行ったら自然と地味にする控えめな民族性も相まって、ではありますが。
だって考えたら、庶民も洋服を着るようになって、たかだか80年ですよ。
年配が年配なりにオシャレを楽しみ、体にも街にも馴染むのに時間がかかるのは当たり前。加減が分からなくて、地味なのも当たり前。そこからの出発です。
生まれた時から洋服の団塊の世代から始まって、年寄りになっても綺麗な格好でいる割合が増えて、次の世代、また次の世代と進んでいますから。徐々に変わって行くでしょう。
その流れの中で、堅苦しいという意味ではない「きちんとした格好」「スッキリした装い」は、大変好ましく。年を取ってのゴテゴテ、ごちゃごちゃ、もっさり等が嫌いなだけですが。
それこそ、だらしなくても可愛いのは若いうちだけだと思い知るべきですね。
嫌だけど。
外国のお年寄りのスナップを見ると、洗練されてますもん。
上に書いたことに、まるで反するようですが、外国のお年寄りのキリっとしたオシャレは見習いたいと常々思っています。
家にいる時や近所の用足しまで、きちんとし過ぎだったり、キリっとするのが一番と勘違いしたら疲れちゃいますから、そこはそこ。自分なりのアレンジ。
ゆったりしていてもだらしなくない、良い塩梅のスッキリ加減を身に着けたいです。
さて、この本、どうしようかな?買おうかな?
それとも、同じ著者の別の本にしようかな?…悩み中です。
お読みいただき、ありがとうございます。
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