着物道に迷ったらパラパラとめくっている、田中敦子さんの『きもの自分流入門』。
帯について書いてある項で、「そうそう!」といたく納得したところがありまして。(P34)
ある程度の年齢になると、自分の目に好ましい色幅は限られてくるようだ。
だから、帯は直感で買っても、よく着るきものにぴたっとくる。
もちろん、自分がもっているきものをきちんと把握してこそ。
1行目、驚くほどその通り。
3行目、よほどの衣装持ちじゃない限り、何年か着続けていれば把握出来るように。
ポイントは2行目。この本を買った2012(H24)年には、「へえぇ、そういうものかぁ」と思ったのですが、着始めて6年目の今年は、「ホント、そうですねえ」と思います。
ヤフオクでもネット店舗でも実店舗でも、目に留まるのは、好みの色調・色柄のものだけ。それ以外は、どんなに素敵なものでも流れて(流して)行きます。面白いものです。
で、バーッと見ていてピっと目が留まるのは、第一に色なんですね。田中さんが仰る通り、色幅が決まってきました。
よって、色柄・色調が好みから外れた帯、つまり母のお下がりや昔買ったものは、すっかり締めなくなりました。
最初のうちは色々試してみた方が良いと思いましたし、一応合わせて変ではないので使いましたが、今は気分じゃないと言うか、しっくりこないと言うか。
他の人なら良いだろうけれど、自分はその組み合わせでは着たくないということ。
そんなに本数を持っていないので、あるものは使おうと思ったんですけれどね。合わせても合わせても、しっくりこない。とりあえず締めてはみても、やっぱりやめる。
そんなことを繰り返しました。
道に迷ったようなものでした。無理して、色々な着方をしようなんて思ったのが間違い。
ミニマリストさんが、気に入った服のみを着回して気分よく過ごすのを思い出し。
着物も帯も、むやみに数を増やせば良いというものではなく、気に入ったもので、手持ちに合うものを探して選ぶことが肝心。…当たり前なんですけどね。
洋服と同じく、バリエーション病というかコーディネート症候群というか。
枚数を増やせば着こなしやすくなる、お洒落になれると勘違いしてしまうんですよね。そうではないと、そろそろ分かって来ているはずなのに。
考えて計画的に買うのも大事。でもその時でも、頭で「必要だから」と買うのではなく、直感的に「あ、いいかも」と感じたら、必要かどうかを考えるくらいで丁度良いと思い至りました。
たぶんこれからも、この病に罹っては治り、罹っては治りを繰り返すのでしょうね。
雑誌や、色んな方の素敵な帯を見て心くすぐられ、あれもいいな、これも捨てがたいという波にもまれて。溺れる前にちゃんと浜に上がって、冷静に自分を見ないと。
このところ、直感で帯を買ってます。長く使えますように…。
お読みいただき、ありがとうございます。
きもの自分流入門
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