月に1度、地域の民生委員のおばちゃんが定期訪問に来る。
サンマのお義母さんの安否確認等々思うが、毎回毎回のお心配りがありがたい。
ある時、サンマのお義母さんはツッカケ(ベランダ用サンダル)を履いて民生委員のおばちゃんをマンションのエレベーターまで見送った。
一人では危ないので、私は後ろについて歩いていたが、良く見ると踵が落ちてる。 ツッカケが小さいのである。 「あぶないなぁ~」と思っていたら、案の定、そのツッカケにつまづいた。
前のめりに一歩二歩と出て転びそうになる。
私はさっと手を出しサンマのお義母さんを支え、転倒せずに済んだ。
私が「あ~あっ、本当にびっくりした。 大丈夫ですか?? ああぁ~、びっくりした・・・。 大丈夫ですか??? 大丈夫ですか??? ・・・お義母さん靴が合っていないんじゃないですか? だから転びそうになったんですよ。 足のサイズは幾つですか? 今度、新しいサンダルを買いましょう。」と話しかけた。
サンマのお義母さんはもごもごしながら小声で「24.5㎝」と言って自分の寝室へ入った。
その晩、夕飯の時には出てきたときには顔つきが変わって怒っている
。 一言も話さないし、箸や食器を乱暴に扱う。 訳も分からない!
次の日も同じだ。 プンプン、ガチャガチャ!
部屋に籠って、そして食事の時には怒った顔つきでいた。
3日目の土曜の朝、サンマのお義母さんの形相は更に悪くなっていた。
私は一人、家の前のスーパーに買い物にでかけた。 私の旦那(Yさん)は家でくつろいでいた。 私がスーパーから帰って家の玄関を開けたら、そこは「修羅場」となっていた。
サンマのお義母さんが泣き叫びながら絶叫している。
「どうしたの??」って聞くと旦那が「Aちゃん(私)がお袋の事いじめているって言うんだよ」と話してくれた。
私が「はぁ~???? そんな事していないよ!」と言えば
サンマのお義母さんが「いや、した!!! オレの事をいじめて楽しんでんだ(大泣)」
「いったい、いついじめたって言うのよ! もうずっと部屋に籠ってご飯の時以外は出てこないっていうのに!!」
「この前、オレの事をバカだって言ったじゃないか!! (大泣)」
「はぁ~??? バカなんて言ってないじゃない!! いつ言ったっていうの!!!」
「この間、オレの事をバカの大足だってバカにしたじゃないか!! (大泣き)」
直ぐには、何を言っているか分からなかったが閃いた!
要はあの小さなツッカケを履いて転びそうになった時の出来事なのである。
サンマのお義母さんの目の前で旦那に事の次第を説明したが、
「ウソ
! ウソ
! ウソ
! バカってオレの事をいじめたじゃないか!!」
ここからは言った言わないで押し問答、サンマのお義母さんは人の話なんか聞いていない。
「だったら、あの時お義母さんが転ぶのを止めて、転べば良かったっていうんですか??」
「(絶句)・・・・、ウソつき!! (怒号)」
もう収拾がつかないし、付き合ってられない!!
頭のイカれた姑の言うことはまともに聞いちゃいけないし、付き合っちゃいけない、こっちがバカを見る。
この時に学んだレッスンだ!
そしてこうやって、徐々に私は鬼嫁と化した!(笑)
(ちなみにこの後4日間、サンマのお義母さんは機嫌が悪かった。 よくこれだけ憎悪を膨らませることが出来るものだ。)