とある月曜の夕飯時である。
少し遅くに帰宅した夫(Y)は着替える間を惜しんで食卓に着いた。
この日の夕食には初秋の秋刀魚が食卓に並んでいる。
私が前日に録画しドラマを見るかどう姑に聞いていた所、夫が一言「(お母さんがいつも楽しみにしている)『鶴瓶の家族に乾杯』がもう直ぐ始まるよ。」
そこで急にスイッチが入った。
「お前は男のくせに、ちっちゃいことでぐちゃくちゃ言って!!!」と大声を上げ、怒る
。
そこから怒りの言葉は次から次へと留めなく出てくる。
全く、関係ない事もである。
ついには、秋刀魚をわしづかみにし、夫に投げつけた。 夫の白いワイシャツには秋刀魚の油と焼きこげが魚の形を残したままくっきりと付いた。
もう、急に何事が起ったのかと夫も私も目が点で見つめ会ってしまった
罵倒する言葉を吐きながら、姑は自分の寝室に籠ってしまった。
しかし、話はここで終わらない。
数か月後、姑の口から出たのは「オレ(自分の事をオレと呼ぶ)の秋刀魚だけ腐ったのをよこすから投げたんだ
!!(怒)」とあの時の愚行を説明した。
要は悪いのは自分では無く、腐った秋刀魚を出した嫁だと言いたいのだ。
今まで一番いいおかずを出していたのだが、まったくの無駄だった。
年寄りは自分の都合のいいように記憶を書き換えると言うが、本当にビックリである。
これが、「さんまのお義母さん」の由来である。