ママのところに来て
どれくらいの月日が経ったんだろう?
いろんなことがありすぎたけれど、
思い出のフィルムを上映すれば、
決まってママの笑顔が押し寄せてくる。
でも今は、
顔を上げると、
静かな悲しみを浮かべた瞳がそこにあった。
反応できずに固まる私に、
ママはふっと笑みをこぼした。
ママはまるでそれを許すかのように
にっこりと笑った。
ダメ、と思ってもあっという間に
涙で視界がにじんだ。
「幸せな人生だったよ。大げさかもしれないけど、
今はなんだか晴れやかな気分なんだ」
力強くうなずいたママが私の痩せた手を握った。
「私はもう力を使い果たしたみたい、
ママひとりで立ち向かえる?」
不安が込みあげてくる私を安心させるように、
ママは「大丈夫」とうなずく。
ねえママ、
生きると誓って。
そして、
まだ見ぬ未来できっと会えると。
強い風が吹き、思わず目を閉じた。
「ありがとう、ママ」
ココママさん、元気?乗り越えるんだよ。