6月6日(月)...
阿蘇山上へ...
ママ
「なんか、毎日行ってるね」
パパ
「うん、好きなんだもん。
阿蘇山上からの夕日が」
パパ
「ママは、俵山からの夕日が好きだよね?」
ママ
「うん」
南郷谷
「クー、雲が多いけど見えるかな?」
パパ
「...見えた~!天使のはしごも♪」
米塚
「ママ。...明日は病院だね?」
「うん、きっと大丈夫よ♪」
とても満ち足りた、幸せな時間。
ママに抱かれていると、すごく心地いい。
こうやって、いつまでも、
一緒に空を見ていたいな。
「ク~♪」
6月7日(火)...
パパ
「おはよう。いつもよりぐっすり眠れたね」
ママ
「うん」
「クララ、行ってくるね」
「クー、早く帰ってきてね」
ところが...
今日の診療・検査スケジュールは...
10:45、血液検査・レントゲン
11:45、呼吸器内科受診
14:30脳造影MRI
15:00放射線治療科受診...
3月に2度目の再発をした
脳へのピンポイント照射の予後を診てもらいます。
呼吸器内科の受診も済んで、
無事にアレセンサも継続となりましたが...
造影剤を使用したMRI検査後、
ママに緊急状況が発生しました。
検査室から出てきたところで
嘔吐してしまったのです。
その時パパはMRI待合室でテレビを見ていて、
医療従事者の方たちがあわてて
ママのところに駆け寄ったので
びっくりしました。
ママはそのまま約30分、
MRI待合室で
血圧と脈拍を測りました。
造影剤の副作用について...
軽症:100人に1人以下(不定愁訴・頭痛・嘔吐など)
重症:10万人に1人以下(呼吸困難・肺水腫・
アナフィラキシーショック)
死亡:200万人に1人
血圧と脈拍が落ち着いたところで
放射線治療科を受診しました。
治療効果は...
4個の腫瘍すべてが小さくなっていました。
「...なんだ、消えてないんだ」
パパは画像を見ながら残念そうに言いました。
「大きくなっていないから効果はありましたよ」
先生はびっくりした顔をして、
それからにこにこ笑いました。
病院を出たところでパパは足を止めました。
「どうして緊急用の呼び出しボタンを押さなかったの?」
「我慢した...」
「ばかかお前は」
ママはパパの身体にすがりつき、
声を上げて泣きました。