3月24日(木)午前6時...
パパに早くに起こされました。
外はやはり霧がかかっていました。
「天気はどうなの?雲海、出そうなの?」
アスペクタには、
私とパパが一番乗りでした。
桜の向こうには
見事な雲海が広がっていました。
パパ、嬉しそう...、私も。
南郷谷
それから少し経って、
クララ1号は高千穂を目指していました。
高千穂
天岩戸
「ここは確か、犬オッケーだったよね?」
あまてらすの隠れテラス
岩戸川
「クー、泳ぎたい...」
「後でね♪」
高千穂牛そば
「肉、クーださい♪」
日之影へ...
青雲橋
日之影川
「クー!」
「クララ...楽しい?」
「クー!」
「クララを笑顔にできるなら、なんだってしてあげる!」
「じゃ、長生きしてみせて!」
「...え?」
ママの悲しげで訴えかけるような眼差しに、
ぎゅっと胸が締めつけられて
ママのつらさが移ったみたいに
目の奥がじんと痛みました。
...これ以上涙をこらえるなんて、
できるはずがありませんでした。
「クッ...ク....」
「クララ...」
私の頬に温もりが触れました。
その温もりにもっと触れたくて...
「私、ママと一緒に生きる。
そして、ママと一緒に死ぬ。
寿命を合せる」
「シシ神様、助けてあげる。...パパが逃がしてあげるよ」
「ぼく、ここがいい」
「甘えちゃだめだよ!」
「ここがいい!」