深夜には深夜の友がいるはず | 阿蘇の国のクララ

 

2月18日(金)...

 

パパ

「...手前にバイクも倒れてたね」

 

ママ

「無事でよかった...」

 

パパ

「...どの山に行こうかな?」

 

箱石峠

 

瀬の本高原

 

長いトンネルの中にいるみたい。

 

「先生を信じているけど...不安でいっぱい」

 

まだ、ママの治療は始まらないのかな。

 

始めなくていいのかな。

 

その間にがんが増えたりしないのかな。

 

温かいママの指を舐めながら

短い息を吐き出しました。

 

「ありがとう、クララ。心配してくれてるの?」

 

「ねぇ、ママ、大好きだよ」

 

何度言っても足りない。

 

牧ノ戸峠

 

ママ

「...アイゼンなしで、

沓掛山まで行けるかな?」

 

牧ノ戸登山口

 

「ママは危険だよ。パパと登ってくる」

 

「クー!」

 

沓掛山山頂(1503m)

 

「...どうだった?」

 

優しく私に口づけるママ。

 

「最高だったよ」

 

2月20日(日)...

 

「何か、たくさん来てる...」

 

「また、杏樹ちゃんママさんから」

 

...ママさんの笑顔は私を癒してくれます。

どうかどうか

パパさんアリスちゃんクララちゃんの想いが

届きますように。

 

「杏樹ちゃん、ありがとうございます、クー♪」

 

「これも...また、コロンちゃんママさんから」

 

...お風呂に入ってリラックスして下さいね♪

ずっとパパさんとクララちゃんといられるように、

お空のコロン、もん、らんにお願いしてあります。

 

「のあんちゃん、ありがとうございます、クー♪」

 

「めいちゃんママさんから」

 

...何もできないけどいつも想っています。

治療の前においしいものをと思って送りました。

これ食べてちょっとでも笑顔になってもらえたら

嬉しいです。

 

「めいちゃん、ありがとうございます、クー♪」

 

皆が優しいから、ママ泣いちゃった...

 

草千里へ...

 

それから、

のんママさん、りゅうさん、...

ママを愛してくださっている多くのお友達、

本当にありがとうございます。

 

南郷谷

 

「クララ。大丈夫だから、そんな顔しないで」

 

「ずっとそばにいるから。クララもいて」

 

そう言いながら肩を引かれて、

そっと優しく抱きしめられました。

 

ママの腕の中は、温かくて優しくて、

とても落ち着きました。

 

忘れたくない、この温もりだけは。

 

夜は必ず明ける...

 

しかし私たちはただその時を肩を落とし、

目を伏せて待つだけでいいのかな。

 

夜には夜の生き方があって...

 

深夜には深夜の友がいるはず。

 

「テヘッ♪」