恐ろしいほどの星空が、私を寝かせてくれない | 阿蘇の国のクララ

 

10月23日(土)...

 

「整体の前に中岳を見に行こう」

 

「クー!」

 

杵島岳

 

「ここに停めますか」

 

中岳

 

「なんだかまぶしいいね。地球の始まりみたい」

「クー」

 

一般に阿蘇火山の爆発は

ストロンボリ式と呼ばれる

女性的で穏やかな

小爆発が頻発するもので、

放出された火山弾や火山灰は

火口内に落下して、

火口外にはほとんど飛び出さない

のだそうです。

 

しかし、

いかに女性的な山とはいえ、

いつも穏やかな爆発ばかりを

繰りかえしているとは限りません。

 

「頬っぺ見せてごらん?」

「クー」

 

龍の通り道

 

「整体行ってくるね♪」

「クー」

 

「からあげ買ってくるね」

 

「クゥー、骨なし300グラムね♪」

 

 

「とうふ買ってくるね」

 

「クゥー、豆乳ソフトね♪」

 

 

太陽はどんどん小さくなっていき、

空は美しい夕焼けに染まりました。

 

「今日はほんとうにきれい」

 

私はママのほうを見てうなずきました。

 

きっと恐ろしいほどの星空が、

私を寝かせてくれない。