何度でもまた歩き出せる | 阿蘇の国のクララ

 

5月25日(火)...

 

ボワ・ジョリ

 

「ミナコおねえちゃん♪

ピクニックランチと

高菜ごはんだって」

 

小さな頃にはきっとあった。

 

木を愛で、

蟲と心を通わせる

アニメの優しい

ヒロインになりたいだとか、

魔法を使える

強い魔法少女のようになりたいだとか。

 

でもそのうちそういう夢はなくなった。

 

捨てたわけじゃなく、

本当にいつの間にか

奇麗さっぱり消えていた。

 

少しずつ、

いろいろなことがわかるように

なってきたからだと思う。

 

世の中のこと、自分のこと。

 

ママのこと。

 

「クーちゃん♪...食べる?」

 

「クゥー♪」

 

風の谷へ...

 

音が消え、風を感じた。

 

人はそれぞれの夢を持ち、

その夢を目印に行く道を辿っていく。

 

分かれ道はまたいくつもある。

 

迷うこともある。

 

怖ろしくもある。

 

引き返すのもいい。

 

ライオン岩

 

たとえ幾度立ち止まろうと、

迷おうとくじけようと、

目印さえあるならば、

何度でもまた歩き出せる。

 

恐ヶ渕へ...

 

「クー!」

 

恐ヶ渕

 

「ママ、木が倒れてる」

 

夢を願おうね、ママ。

 

些細でも、曖昧でも。

 

小さな目印を追いかけていこうね。