KICK THE CAN CREW / クリスマス・イブRap | 5000VOLTもの電撃を受けるとシビれます

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自分がビリビリと刺激的電撃を受けたCDやレコードなどの音を中心に、レビューっぽい感じで綴っていきます。よろしくです。

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クリスマス&冬ソング特集 第9弾。2001年11月発売のシングル「クリスマス・イブRap」。

KICK THE CAN CREWがHIP HOP村から出て行ったのはいつだったろう?本人達は意識的ではなかったろうが、俺はこの曲が決定打だったと記憶している。

インディーズの頃のBY PHAR THE DOPEST時代はイベント荒らし (暴力的な意味ではなくフリーマイクなどで)もお構い無しのやんちゃ坊主だったKREVA、東京Z家族の生え抜きだったLITTLE、地下深くで蠢いていたRADICAL FREAKSのフロントマンだったMCU、その3人が集まって結成されたキックを最初はシーンも好意的に迎えていた。1stシングルの「タカオニ/カンケリ」は確かにB-BOY達も買っていた事も俺は覚えている。

FGの後輩的な立ち位置のカセットヴィジョンなる同世代で集まったクルー (当時は今ほどハッキリとFGとはされていなかったが) の中でもオールスターチームだったキックのメジャー進出時もそれほど外野は五月蝿くなかった。まぁ2001年辺りはこぞってみんなメジャーに行ったからね。

程なくして「イツナロウバ」がスマッシュヒットを記録し、徐々に後ろ指を指す連中も出てきた。が、元々が地力の高い3MCという事もあってか、スキル的なトコを突いたブーイングはあんまりなかった気がする。そんな折りに彼らが出したこの「クリスマス・イブRap」は格好の的となった。

山下達郎のクリスマス・イヴを全面的にサンプリングしたこの曲で一般リスナーのココロは掴んだが、HIP HOP村からは「民主的迎合主義=セルアウト」と揶揄されたキック。KREVAがB-BOY PARKのMCバトルで前人未到の三連覇を成し遂げたばかりだったが、その偉業さえも軽視され、キングギドラ、妄走族、ECD、D.O、etc…から激しくディスられる始末。HIP HOPに真摯だった24歳の5000VOLT青年も、彼らを口汚く罵った事実は隠さない。

これで逆にふっ切れたのか、キックは更にメジャーフィールドで活動の場を広げ、今じゃKREVAの名前を知らない若者はほぼいないんじゃないかってトコまで来ている。そのジャンクションがこの曲だったんだ。

その選択が良かったのか悪かったのかなんてのは本人達にしか解らないだろうので何とも言えない。一度離れてしまった俺みたいなヤツでもいつの間にかKREVAのソロは聴いている始末だし。

で、肝心なこの曲の内容はね~…。ひっさびさに聴いたけどやっぱあんま好きじゃないな俺は。挿入される達郎のサビが、昔ボキャブラで見た「兄は夜更け過ぎに~、ユキエと変わるだろう~♪」っていうオカマバーで働く男の歌にされていたのが頭から離れないんだよな~。

マイク2本、いや、2000VOLT。