バトルMC関連シリーズの途中ですが、フライング入手してしまったコイツを書かないわけにはいかない…。そう、ユニコーンの再結成により2009年2月18日にリリースされる、16年振りの9thアルバム、「シャンブル」だ。
長かった…。俺が中3の時にユニコーンは解散してしまったが、その後も民生、阿部、EBIのソロはもちろん、BIG LIFEやVANILLAの作品まで熱心に購入していた5000VOLT少年。ガソスタのバイト代は全て彼らのCDに注ぎ込んでいたあの日から十数年、ユニコーンのニューアルバムを30歳にして手にするとはね。しかしまぁ、シングル「WAO!」のレビュー時にアルバムは買うと宣言していたが、またも頂いてしまって申し訳ない。K×O×GとTA9LAWにビガップ。
早速PCにインして、ここ最近は家でもiPodでも毎日聴いている。ちなみに今、5周目の段階でレビュー書いてます。
1曲目「ひまわり」は阿部の作曲、2曲目「スカイハイ」は民生の作曲で、どちらも民生のボーカルによるナンバーだが、前作SPRINGMANの1曲目、「与える男」のような衝撃の幕開けは皆無だった。俺が最も恐れていた展開…。そう、民生のソロ名義の時と同じテンションなのだ。ユニコーン時代に聴かせてくれたメロディ主体の曲を期待していたのに、ソロの多くの作品のようにリズム主体の曲で来るとは…。せっかく再結成したのに、久っさびさのユニコーンでの民生なのに…。2曲目「スカイハイ」なんかは、まだユニコーンらしい曲作りをしようとした気もするが足りない。とても足りない。
3曲目はシングルの「WAO!」。シングルレビュー時は酷評気味だったが、1,2曲目がアレだったんで、阿部の変わらぬメロディセンスと歌声に安心してしまう。あ、これはこれで良かったんだよやっぱ。なんて具合に。
しかし、俺があれほど愛したユニコーンがこのままの流れで終わるわけがない。それは4曲目「ボルボレロ」でのEBIで早速感じとれた。これはもう正に、ユニコーンでのEBIのソロ曲なんだよね。EBIと言えばプログレ趣味に走った1stや、妖精さんになった2nd、3rdも嫌いじゃなかったが煮え切らずにいたイメージが強かったけど、やっと本領発揮できた感じだよ。待ってたゼ!
5曲目「ザギンデビュー」での民生は、井上陽水奥田民生での曲のよう。う~ん、昔のような曲が書けなくなってしまったのか??6曲目「キミトデカケタ」は、川西の作詞・作曲&ボーカル曲で、これはもう往年のファンはたまらない入魂の出来映え!AメロもBメロもテキトーなサビも変な打ち込み音もユニコーン以外の何でもない。アップデートされた2009年版ユニコーンだコレ。ってか、これこそ民生が歌うべきだった曲じゃないか?川西の歌声を脳内で民生の声に変換すると、スッゲーヤバい曲になるよマジで。
7曲目「オッサンマーチ」は、手島の作詞・作曲&ボーカル曲。これも6曲目と同じく2009年版ユニコーンを強く感じる素晴らしい曲だけに、またも民生の声に脳内で変換してしまう。サビとか民生が歌えば、ホント完璧だったろうな~。手島の歌なのにこんなにカッコ良いんだぜコレ!8曲目「AUTUMN LEAVES」はEBIの曲で、服部収録の「ペーター」みたいな感じかな。
9曲目「水の戯れ ~ランチャのテーマ~」はEBIが作曲で民生がボーカルを取る編成で、ドラムなんか正に川西のドラムだな~と思う。それもあってか、やっと民生のボーカル曲で強くユニコーンを感じれた。バンド活動期に民生が出したソロシングルのB面だった「健康」を彷彿とさせる緩さが心地良い。これを待ってたんだよ俺は。でもそれがEBIの書いた曲ってのがちょいと皮肉だね。11曲目「最後の日」は、民生の会心の一撃!ツートーンを取り入れた音もさる事ながら、サビのメロディ、男の哀愁が漂う歌詞、完璧な出来です。ホントこれを待ってたんだよ俺は。後半に入ってから民生のエンジンがかかってきてんね。
14曲目「パープルピープル」の一聴めは、またも民生のソロ名義っぽい作りかと思ったが、サビの展開や、手島のギターがけっこう前に出てたりなども含め、立派なユニコーンの曲になってます。15曲目「HELLO」は阿部の作曲で民生が歌う、阿部らしい壮大なスケールを感じる1曲。荒野に向って吠えている的な、アルバムの締めにはふさわしい選曲だね。
全15曲。
何かの雑誌で民生が言っていたが、例えばEBIなどが「民生に歌ってもらいたい」と用意した楽曲をずいぶん蹴ったとの事なのだ。「自分で書いた曲なら自分で歌いなさい」と。やはりソロミュージシャンとして15年も活動した民生にとっては、再結成によってユニコーンのヴォーカルという立場に戻っても、自分は「音楽家」であって、「歌手」ではないという思いが強いのかも知れない。民生がメンバーの書いた曲で歌ってるのは3曲だけなんだよね。
とはいえ、今回の再結成アルバムで、当時のユニコーンの続編を期待し過ぎた俺には、ニヤリとなる場面がいくつもあったアルバムという事も確か。まぁ、民生のソロ活動と地続きな曲の多さには少なからず落胆したが、それを補うだけの9曲目や11曲目、そして他メンバーの大健闘っぷりに感動を覚えずにはいられない。是非、一回こっきりの再結成ではなく、このままのテンションで何枚もアルバムを出して欲しい。
マイク4本、いや、4000VOLT。