脱線3 / XXX JAPAN | 5000VOLTもの電撃を受けるとシビれます

5000VOLTもの電撃を受けるとシビれます

自分がビリビリと刺激的電撃を受けたCDやレコードなどの音を中心に、レビューっぽい感じで綴っていきます。よろしくです。



1995年発売の2ndアルバム「XXX JAPAN」

最近でこそKING 3LDKが関西レジェンドとして、韻踏周辺にトラックを提供したりしているものの、リリース当時はシーンからは完全にシカトされていた気がする。LB全体がそうだったとも言えるが。

確かに、お笑い要素を多く含んだリリックや稚拙なライミング等は今聴くとちょっとツラいとこもある。特に1stアルバム「バチルカ」はお笑い要素がクローズアップされ過ぎた内容で、ハーコーB-BOYから失笑は買えど、プロップスなんかは到底得られない作品だった。

しかしこの「XXX JAPAN」、トラックにちょいと耳を傾けてみると前作「バチルカ」とは比べられないほど音がレベルアップしている。トラックプロデュースは脱線3自らと、高木完、SHINCOがメインで、4曲ほどBEASTIE BOYSのエンジニア、MARIO CALDATO Jr.の名も!95年のマリオですから、そりゃもうG-SON STUDIOサウンドですよ。

4曲目「Gサン'95」なんてBEASTIEのIll Communicationに入ってても違和感を感じないであろうと思わせるトラック。奏でる楽団も強力で、ギターはアドロック、ピアノはマーク西田(この表記でもう!)という布陣。8曲目「ボブソン」もマリオプロデュース。オリエンタルな中華風の上モノに絡むスクラッチと歪み系のボトムがカオスな雰囲気を演出。この曲は高木完がちょっとRAPしてるが、相変わらずSMAPの中居がRAPしてるような、ある意味オリジナルなスタイルは健在。

11曲目「エレキテルファンク」は、もうトラックがカッコ良すぎる!ヘイらっしゃい!という声ネタをスクラッ珍してから始まる入りに、シンプルなドラムがメインの構成は、これまたG-SON節満載!続く12曲目「CRASH MANIA」が、アルバム中で最後のマリオ仕事。他の3曲に比べると、ちょっとこれは弱いかな。印象薄い1曲。

なんかマリオ仕事ばっか取り上げたけど、シングルカットされた2曲目「スペース・ホルスタイン」や、裏LBストラットともいえる10曲目「ウルティメイト・ベシャリスト」も良い出来。特にこれはJUDOやリカ、ナオヒロックなどの、今はマイクを置いたレジェンド達の当時の様子が伺える貴重な曲。LB周辺にいた頃のシャカゾンビも参加してるが、彼らにとっては黒歴史かも。個人的には初期の変態リリックのOSUMIは好きなんだけど。

AKEEM THE DREAM作のジャケも、LPサイズで飾りたくなるほど色使いやロゴがカッコ良い。ロボ宙、MC BOOのRAPは俺は好きだけど、もう少し強ければもっと評価された1枚かも。惜しいな~。

マイク4本、いや、4000VOLT。