私にとって最も重要なミュージシャンはエリッククラプトンであることは疑いないが、もう一人はキースジャレットである。

 

私はギター弾きだが、ピアノは弾けない。

子供のころに母にピアノを薦められて断ったことを我ながら今でも悔やむ。

しかしピアノを弾いていたら、ギターは弾かなかったかもしれない。

 

Charさんのようにピアノから始まってギターに行き、今に至るみたいな達人もいるが、2つの楽器をこなすのは難しかっただろう。

 

ではなぜ、私にとってキースジャレットが重要かというと、彼の奏でるピアノが私にとっては究極のセラピーであったからだ。

 

仕事で立ち直れないほどのダメージを受けて、それを彼のピアノで支えられたという思い出したくもない事実がある。思い出したくない事実だが、それを救ってくれたのがジャレットのピアノだった。

 

ケルンコンサートのアルバムを日に何度聞いたことだろう。

 

このアルバムはいろいろな経緯があるようだが、私を別の空間に誘ってくれるアルバムである。

 

ライブも何度も行った。他のアルバムもほぼ聞いている。

彼は天才というよりは、神の声のレシーバーを持っているようだ。彼の肉体を使って、神がピアノを奏でているようにいつも感じる。

 

独特なライブの緊張感はもう感じられない。過去の録音が新たに公開されることはあるだろう。それに期待しつつも、もう生ではキースジャレットを通じた神の声は聴くことができない。改めて悲しい。