入院初日はいつものように怒涛の如く検査が始まりました。
そして、数ある検査のうち、最も気がかりなのは心臓エコー検査。
そのときの先生の第一声がこのセリフでした。
TRとはTR-PG値の略で、これは三尖弁収縮期圧較差を指しています。
肺動脈から逆流している血液の速度からTR-PG値は測定でき、その値から肺動脈の収縮期圧を推定することができます。
収縮期圧は肺動脈にかかる最大の血圧です。
それが4月の退院時では100でしたが、今回の検査では値を出すことができないほど、肺動脈からの逆流がほとんどなかったみたいです。
先生のその第一声を聞いて、
「TRってTR-PGのことですか?」
と、僕が尋ねたら、
「そう。それが全然出ないのよ。4月の時点で100だったのよね?緊急入院レベルなのに。それがたった2か月で・・・。」
「ゴメン、少し待っててね。他の人にも診てもらうから」
と、別の先生を連れてこられました。
もう一度値を取り直しましたがやはり出なかかったようです。
「若い・・・からかな?」とお二人とも困惑されていたようでした。笑
そして、最後に「可能性を秘めてますね。」「はい、可能性を秘めてます。」
お二人の先生が謎の会話を残し、エコー検査は終了。
値を取り直したせいでいつもより余計にエコー検査に時間がかかりました。
おかげで昼ご飯が15時になりましたが、
『肺動脈からの逆流が認められなかったってことは、肺圧けっこう期待できるんちゃうん?』
と、希望を抱きながら、
翌日の7月7日にBPAを受けました。