Dr.Mからの説明 | クランのブログ

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難病(慢性血栓塞栓性肺高血圧症)を抱えながら医学部目指してます

合同カンファレンスが行われた後、


Dr.Mから説明があった。


カンファレンスの結果、今後の治療方針についてどのような結論になったか説明し終わった後、


さらに言葉をつづけた。


『肺高血圧症の状態で肋骨を切り取る手術を行うのは、


おそらく日本で初めての手術になるので(あとでわかったことだが、僕のほかにも数人いた)、


この手術をして、正直『凶』と出るのか『吉』とでるのか、我々にもわかりません。


ですが、このままほっとくと症状はもっと悪化していく可能性が高いでしょう。



肋骨を切り取ることにより血流がよくなり、万が一血栓が一気にバラけて溶けてしまうと、その血栓の破片が他の血管に詰まっていく可能性があります。


血栓がバラけて溶けてしまった場合の対策として、


手術中は足の静脈用のフィルターを首から入れておきますが(鎖骨下静脈用のフィルターは販売されていないので)、それも完全に血栓をキャッチできるものでもないです。網目より小さい血栓はキャッチできません。


また、血栓がバラけて溶けるにしても、タイミングはわからないので、フィルターを取り除いた後にそれが起こるかもしれません。


ですが、血栓は完全に器質化していると考えていますので、かなりの確率で肩の血栓は溶けないと思います。



説明が終わった後、


『 良くなるか悪くなるか「賭け」ってことか・・・。


肩の血流が良くなっても、その血栓がバラけて肺動脈に詰まって、


肺高血圧症が悪化したら本末転倒やな。



てか、フィルターを取り除いた後、


少しずつじゃなくて一気に血栓の塊がボコって取れたら、即死もありえるんじゃ・・・。


23歳・・・。


短い命だったなぁ 』



と、妄想だけ先走り少し感傷的になったのを今でも覚えている。





2010年の臓器移植法の改正により、


移植手術が増え、整形外科の先生の手があまり空いていない状況だったので、


整形外科の手術がかなり先になりそうだった。


なので、手術日が決まり次第、病院から連絡をするとのことだったので、


10月に一旦退院した。