病棟からの迎えを待っていると、
やって来たのは、
看護師さんではなく、
Dr.Mだった。
パッと見て、
30代過ぎに見えるけど、頭が切れて、性格がきつそうな印象を受けた。
医者というより研究者の顔つき。
なんとなく前の研究室の教授に雰囲気がそっくりだった。
Dr.Mは、車椅子で僕を押しながら、外来の受け付けの看護師さんに病棟の行き方を聞いていた。
『ごめんね。4月に研究から帰ってきたばっかで、ここの病院にまだ慣れてないねん。』
と、僕に謝るDr.M。
「やっぱり研究やってた人なんや。やけど、目がクリクリってしてるけど、雰囲気怖いなぁ。」
と、内心ビビってた。
このときは、まさかこれからこの先生にガッツリお世話になるとは思いもしなかった。