こんばんは!

 

新年も明けて

数日経ちましたが

まずはご挨拶

 

皆様、今年もよろしくお願い致します花束

 

 

お正月休みは

したいと思っていた

読書にどっぷり浸っておりました

 

年末に言っていたとおり

今年のブログは

読んだ本のご紹介と感想から

始めたいと思います

 

秋に読んだ本から書こうかと

思いましたが

 

お正月に読んだ本の

感動が冷めないうちに

まずこちらから

 

 

 

 

水車小屋のネネ 津村記久子

 

2024年 1月6日読了

 

 

かなり長くなってしまったので

ご興味なければスルーして下さい

 

(以下ネタバレあり)

 

物語は

1981年の春から始まります

主にその春

高校を卒業したばかりの理佐と

理佐の10歳年下の妹で

4月から小学3年生になる

律を中心に物語は綴られます

 

理佐と律の母親は

離婚した後

女手ひとつで二人を育ててきましたが

 

理佐には気丈に見えていた母は

あるときから

”何も考えたくなくなった”かのように

恋人をつくり

その恋人中心の生活に

なっていきます

 

理佐が入学予定だった短大の

入学金を払わず

恋人にそのお金を

渡してしまっていたことが

発覚した日

 

バイト帰りに

通りかかった深夜の公園で

家から閉め出されて

公園で本を読みながら

時間を潰していた律を発見したことを

きっかけに

 

理佐は律を連れて

家を出る決心をします

 

理佐は職安で

住むところを安くで

提供してくれる

そば屋の仕事を見つけます

 

その仕事はちょっと変わっていて

そば屋の給仕以外に

そばの実をそば粉にするための

水車の管理と

その水車の番をしている

ヨウムという種の

鳥の世話をするというものでした

 

その仕事に採用された理佐は

律と二人で

そば屋のある町に移り住み

そこでの40年にわたる物語が

紡がれていきます

 

物語は

第1話が1981年

第2話が1991年

第3話が2001年

第4話が2011年

エピローグが2021年と

 

10年ごとに

お話が展開します

 

476ページにもわたる

長いお話ですが

長さを感じさせることがなく

すーっと最後まで読めました

 

律の年齢が

私と2歳しか違わないことで

(私の方が2歳上)

 

時代背景が

想像しやすかったですし

懐かしい描写も出てきて

没入感もありました

 

第1話が理佐の視点

第2話は律と

後に律の義兄(理佐の夫)となる聡

第3話から第4話は律

エピローグは美咲という

律が関わることになる

大学生の女の子の

視点で描かれるのですが

 

そこも

律の成長がよく分かって

一緒に

歩みを進めているようで

良かったところだと思います

 

理佐の無謀ともとれる決断で始まった

二人の新しい生活は

出会っていく

善良な町の人々の良心に

支えられ、見守られながら

織りなされ

その中で

二人は成長していきます

 

姉妹と町の人々との関係は

決して

ベタベタしたものではなく

程よい距離感を保ちつつも

お互いを思いやっている様子が

心地よく

抑えた筆致で描かれている分

より心に

グッとくるものがありました

 

そういった善良な人々の

良心に育てられた律は

自身も良心ある大人に成長し

縁あって出会った人々とも

その良心でもって接していきます

そしてまたその人たちも・・・

 

そうやって

良心の連鎖が繋がっていく

 

その傍らにはいつも

ネネという鳥の存在があり

人々を繋ぐ潤滑油のような

大きな役割を果たしています

 

律は自身を

「これまで出会ったあらゆる人々の

良心で出来ている」と思い

 

その律が手助けすることになる

研司という青年も

ある決断をし町を離れるとき

 

「自分が元から持っているものは

多分なにもなくて

そうやって出会った人が分けてくれた

いい部分で

自分はたぶん生きているなって

 

だから誰かの

役に立ちたいって思うことは

はじめから何でも持っている人が持っている

自由からしたら

制約に見えたりするかもしれない

 

けれども

そのことは

自分に道みたいなものを

示してくれたし

幸せなことだと思います」と

言葉を残し旅立っていきます

 

律や理佐も言っているのですが

「自分たちは運が良かった」と

 

ともすれば

理佐や律、研司にしても

なにかが違えば

負の連鎖の中に取り込まれて

しまったかもしれないと思います

 

負の連鎖から

抜け出すことの困難さや

苦悩を思うと

それはとても恐ろしいことだと思います

 

この本を読んで思ったことは

自身の出来る範囲からでも

小さな良心を繋げることが出来れば

どこかで

負の連鎖を断ち切るなにかに

繋げることが出来るかもしれないと

 

自身もそういう人でありたいと

思わされるそんな本でした

 

作者の

津村記久子さんの作品は

初めて読みましたが

 

淡々と綴られる文章なのに

人の温かさや情感が

じんわり染みてくる

丁寧な筆致がとても心地よかったです

 

他の作品も

もっと読んでみたいなと思う

作家さんでした

 

この作品は

私が普段とっている新聞が

毎週土曜日に

本の紹介を2面にわたってしていて

そこに紹介されていた本なのですが

 

その評を書いていた方が

「本作が時代を超えて

読み継がれていくことを

願ってやまない」と

書かれていて

 

読んでみて

私も本当にそうだなと思いました

 

そして余談なのですが

いつも楽しみに読ませて頂いている

ブログがあるんですが

 

この本を読了した日

その方のブログで

 

「今日が誰かに支えられているからこそ

誰かの未来が

明日も続いてゆくのだから」

という

言葉が書かれていて

 

まさにこの本に

書かれていたことを一文で

表現されてるようで

 

タイムリーでもあったのも

手伝って

ストンと心に落ちてきました

 

心に留めておきたい言葉です

 

 

 

感想とかレビュー的なものは

苦手なんで

今までは

ドラマでも本でも

見た人、読んだ人しか

わからないような感想を

チラッと書く程度だったんですが

 

今回感想らしい感想を

書いてみたら

やっぱり長すぎる文に

なってしまいました💦

 

とりとめのない文章ですのに

読んで下さって

ありがとうございました

 

今年は例年より

本を読もうと思っているので

こういう記事も

またあるかと思いますが

よろしければ

またお付き合い下さい星