マスコミがマスコミの仕事をしなくなった典型的例【iPS疑惑】 | 工藤尚規@ナオの自由きままな放浪記

マスコミがマスコミの仕事をしなくなった典型的例【iPS疑惑】

最近iPS細胞の疑惑についてマスコミで報道され始めましたよね。

これまだグレーな案件ではありますが、マスコミがマスコミの仕事をしなくなった典型的例だと思います。

まず流れを追って説明しますとこんな感じで報道が進みました。



①読売夕刊1面でスクープ

②日テレのNEWS ZEROで大々的に特集

③他のマスコミ一斉報道

④山中教授が報道内容に疑問を感じる

⑤森口氏が治療を行ったというマサチューセッツ総合病院が報道を否定

⑥ロックフェラー大学などで展示されていた研究結果が疑義があると撤去

⑦毎日新聞、産経新聞などが疑惑報道

⑧森口氏、発表の一部の疑惑を認める


さてどこが問題だと思いますか?私は一番の問題は、③と④だと思います。

①、②はある種事故といえるでしょう。速報での間違いは良くありますし、それは間違いの裏を取れた時点で訂正報道すれば良いのです。そこまでは良くある話です。

問題は、③、④です。どこが問題なのかというと

1、他のマスコミは裏も取らず読売の記事を鵜呑みにし、調査せず一斉報道した事
2、専門家が見れば明らかにおかしいという内容なのに関わらず、記者・デスクの人間には疑問を持った人がいなかった事

この2点でしょう。新聞社にはそれぞれの担当部署があり、ある程度の専門知識を持っている記者がたくさんいます。にも関わらず今回の騒動を見抜けなかった訳です。

報道機関が発表情報を鵜呑みにし、検証を行わず、報道機関でない場所から疑惑が出てきたのは怠慢といえるでしょう。本来マスコミは、おきた事象を検証し、正しいと判断し報道します。間違いがありそうなら指摘するのもマスコミの仕事だと思います。

この疑惑に関わらず、「政治」「経済」「事件・事故」の報道に関して、主観的な報道が目立ちます。客観性が損なわれている気がしてならにのです。

特定の政党や政治発言を擁護したり、けなしたり、今回のように検証せずに発表されたことをそのまま自分たちのニュース、スクープのように報道したり、敵・味方を作り、敵に攻撃、味方を守る行動をとったり。

本来マスコミは、ある一定の中立が基本原則ではないでしょうか?

その上で会社として、報道機関としての右、左がスパイス程度に加味されるべきではないでしょうか?

私はこのように思います。