ヒロ・クロサキのヴァイオリン | HEALING CLARINET

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クラリネット奏者 関根悠乎(せきねゆうこ)が、音楽を通して、日々感じたり、考えたりしたことを書いています。

このところ、モーツァルトのクラリネット五重奏曲を練習していると、レッスンを受けた黒崎先生のことばかり思い出します。

黒崎功仁彦先生のレッスンは、細かく一つ一つの音を考えて大事にするというものです。

でも、クラリネットの二宮先生もよく、「アナリーゼは細かくやればやるほど、音楽のスケールは大きくなる。」とおっしゃっていました。

それを「細かくやってるよビックリマーク」と相手に分からないように、こっそりとできれば、とても自然な音楽になるというのが黒崎先生流です。ニコニコ

自分のソロ譜にもたくさんの注意点が書いてあるけれど、同じことがスコアにもありました。

そう、先生ご自身が、レッスン中にスコアに書き込んでくださったものです。メモ

涙が出るほど懐かしく、もう10年以上前に天国に行ってしまわれた先生が、今、まさにここにいらっしゃるような気持ちになりました。

いつものように、ウィーン在住の先生にお手紙を書くように、天国にお手紙を出したくなりました。手紙

「トリルのあとの、主音へ解決したときは、主音でfreudビックリマークが聴こえるように」

「短調への転調は、お母さんの死を意味する」

などなど、いろんな注意書きが出てきました。

そんな先生の音源は残っていませんし、先生ご自身、日本にいらした時もソロは演奏なさいませんでした。

「僕の言っていることは、完璧に息子が演奏しているから、僕は弾かないんだよラブラブ

だから、先生の言っていることを演奏で聴きたかったら、息子のを聴いてね。」

そう微笑みながらおっしゃった先生のお顔が忘れられません。

動画で息子さんの、ヒロ・クロサキ氏の演奏を見つけたのでご紹介します。ニコニコ


↑ヘンデル ヴァイオリンソナタ イ長調 HMV372

バロックヴァイオリンの天上の音に、癒されてくださいませ~天使