今日はWAO弦楽四重奏団のリサイタルに行って来ました
場所は、小田急線、代々木上原駅徒歩2分の「けやきホール」(古賀政男記念館内)です。
マンドリンの音が良く響くよう、設計されたホールで、弦楽器が本当に美しく響くんだなぁ…と感動しました
プログラム
ハイドン 弦楽四重奏曲 第79番 ニ長調 作品76-5Hob.Ⅲ:79
ショスタコーヴィチ 弦楽四重奏曲 第8番 ハ短調 作品110
~休憩~
ベートーヴェン 弦楽四重奏曲 第13番 変ロ短調 作品130
実は用事が終わらず、遅れてホールに入ったので、ハイドンは聴けませんでした
残念
それで、ショスタコーヴィチとベートーヴェンの感想を書かせていただきたいと思います。
まずはショスタコーヴィチ
以前、youtubeで聴かせていただいた曲と同じ、ショスタコーヴィチですが、その時よりもずっと素晴らしいアンサンブルでした
テンポ感も音色も、音楽的にも「自分の物にしている」素晴らしい演奏でした
でも、この曲は聴いていて辛くなってきます
ショスタコーヴィチの気持ちが、切々と伝わってくる…
「ファシズムと戦争の犠牲者の思い出」に捧げられた曲だからでしょうか
なぜか、この曲を聴くと、全然違うのに、メシアンの「世の終わりのための四重奏曲」を思い出します。
同じ2次大戦の恐怖と哀しみが描かれているからでしょうか
(メシアンの「世の終わり…」は、ユダヤ人収容所で、収容されているときにメシアンが作曲して、一緒に収容されていた演奏家で収容所の中で初演されています。)
WAOのショスタコーヴィチは、身を切られるような恐怖と、押しつぶされそうなストレスを感じさせる、見事な音楽でした
そして、休憩後は、うって変わって美しく幸せなベートーヴェン
聴いただけで作品番号を見ないでも「後期の作品」とわかる、洗練された音楽
しかし、全6楽章は長く、体力と集中力が問われる大作です
聴いている方は、美しく幸せな音楽に身をゆだね、長さを全く感じさせない、いや、むしろもっと聴いていたいと思わせる演奏でしたが、奏者は大変だったのではないでしょうか
時折、「あら今、オーケストラの音に聴こえたんだけど、舞台見たらやっぱりカルテットだったわ
」と思うような、厚みのある響き
それにね、私、変な人に思われるかもですが、コンサートで素晴らしい演奏を聴いているときに限り、頭の中に映画を見ているかのように、はっきりと映像がイメージできることがあるんです
…で、今日のWAOのベートーヴェンは、途中(自分でびっくりしたので、何楽章かわからないのですが)凄いものが見えたんですよ
←いや、見えたんじゃないんだけど
頭の中のイメージ
「天国の門」
いやー初めて見させていただきました
(あんななんだって思っちゃった
)
何に一番近いかと言うと、「聖おにいさん」に出てくる天国の門ではなく、どちらかというと、「アイスエイジ2」のラストシーンに出てくる、ドングリリスが臨死体験中に見る、雲の上にきれいな大きな柵の門があって、天使がキラキラの粉を振りかけながら迎えてくれる、温かく幸せな天国の感じ
それで、大きなサンタクロースのおじさんが、赤い衣装じゃなくて白いキリスト教の聖人が着てるような服を着て出てきて、羽が生えてて、頭に金のリングしてて、何かゆっくりと話しているの。
あぁ、これが神様なのかなぁ…と、呆然と見て(感じて)浸ってました
臨死体験しないでも、天国はイメージできるんですね
すごく癒されて帰って来ました
まるで、極上のドイツワインを飲んだみたいです
(アウスレーゼですねっアイスワインかもしれない
)
こういう素晴らしいコンサートに行くと、のだめちゃんみたいに、急に練習したくなりますね
WAO弦楽四重奏団の皆さま、お疲れ様でした
素晴らしいコンサート、ありがとうございました~