今の薬があわなかったら、と
父の余命を聞いたとき、あたしは吠えた
泣いたというより吠えた
どうして?あれだけ父は苦しんだのに、また苦しむ治療をしても、それでももう余命っていわれるの?
大嫌いな父、
大好きな父。
父がいない未来なんて考えてなかった。
あの頑固でワガママで、大嫌いな父がずっと近くに住んでるのだと思ってた。
時々焼き肉いったり、スーパーいったり、一緒にするんだと思ってた。その度ワガママ言ってくる父にイライラしながら過ごすと思ってた。
それが私と毒親父の父娘の再構築だと思ってた。
やっと父を包んで考えられるようになった矢先。
大嫌いな父、お願いだから、元気になって。
暖かくなったら遊びに連れてくから。
薬、効いて。
長生きして。
そんなヘロヘロなままで棺桶に入ったら許さない。
本当はもっと厳めしくて、目も鋭くて、強くて、たくましいからだで、自称、舘ひろしみたいだったでしょ?
お願いだから、長生きして。
私の目をもっと見て話して?
小さいころの私を本当は愛してきたことをちゃんと教えて?