「サムライバックパッカープロジェクト」 | Chove mark thai!

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「サムライバックパッカープロジェクト」


太田さん、頑張ってください!パー








目指せ世界一周!「サムライバックパッカープロジェクト」とは?
Business Media 誠 1月6日(木)14時52分配信


 2010年のノーベル化学賞を受賞した、根岸英一さん。受賞を記念して各所にインタビューが載ったが、その多くで根岸さんが繰り返し語っていたのが、「若者よ、海外に出よ」というメッセージだった。「一定期間、旅行者でなく海外に出て、日本を外から見る期間があることが重要」「例え海外で成功しなくとも、一定期間、日本を外側からみるという体験は何にも増して重要なはず」という発言に、うなずいた人も多いのではないだろうか。

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 いわゆる“若者の海外離れ”は、筆者自身も最近よく感じるところだ。ここ数年アイティメディアでは、新卒の編集記者が初めての海外出張に行くことになるたびに「パスポート取らなくちゃ」「えっ、パスポート持っていないの?」「はい、海外に行ったことがないので」というやりとりを各編集部で繰り返している。留学経験や海外で働いた経験どころか、旅行者としても海外に行ったことがないという20代は、ホントに増えているんだなぁ……と、身近な例を見て改めて納得している。

 10~20代のころは海外に行きたくて仕方なかった(そして今でも、一度くらい海外で働いてみたいと思っている)筆者だが、「海外にどうして行かなくちゃいけないの?」と思う人の気持ちも分からないではない。日本は非常に快適というか、“居心地のいい”国だ。日本語が話せる限り、言葉が通じなくて困ることもない。電車は時間通りに来るし、街中にはコンビニや自動販売機があり、おなかがすいたりのどが渇いたりすればどこででも飲食物を調達できる。各種サービスは滞りなく提供されるのが当たり前であり、「お客様は神様です」の精神が徹底している。修理を頼んだのにサービスマンが来なかったとか、タクシーに乗ったら明らかに遠回りされて法外な料金を請求されたとか、5台ある自動券売機が5台とも壊れているとか、理不尽なことはまず起こらない。

 ……以上の例は、日本以外の国に行けば普通に起こる話ばかりだ。日本なら“当たり前”のことも、他の国では通用しない。当然の権利を享受するためにさまざまなものと戦うのが当たり前、という国から日本に帰ってくると「あ~、やっぱり日本は素晴らしい国だな、天国だ」と思う。

 しかしその日本の良さが分かるのも、日本以外で過ごした経験があるからこそ。働き出し、年を取れば、どうしても自由な時間は少なくなる。やはり若いうちに一度は海外に行っておくべきだ。日本のパスポートを持っていれば、世界中ほとんどどこにでも行けるのだから——そんなことを考えていたある日、Twitterを通じて、ある一人の若者に出会った。

●2年がかりで世界一周、目的は「異国のサムライ100人を探す」こと

 太田英基、1985年4月生まれで現在25歳。2010年9月15日、太田さんは世界一周の旅をスタートした。1年以上日本を離れる覚悟だから、住民票は抜いた。

 最初の目的地は米国サンフランシスコ。シリコンバレーで働く日本人に会って話を聞いた後、アメリカの他都市を周り、グアテマラ、ホンデュラス、ニカラグア、コスタリカ、キューバ、メキシコ、ペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチン、ブラジルと中南米の国を回る。2011年春からはアフリカに移動、モロッコ、エジプト、ケニアなどを旅する予定だ。ヨーロッパ各国からトルコ、インドと回ったところでいったん日本に戻り、再び海外へ。中東、南アジア、東南アジア諸国を回って「長い旅になるので予定がどう変わるか分かりませんが、最終的に日本に帰るのは、2年くらい先になると思います」

 2011年の正月は、メキシコシティで迎えた。現在太田さんは、今どこにいるか、何をしているかをブログやTwitterでリアルタイムに発信しながら、旅を続けている。

 このように書くと、やりたいことが見つからず自分探しの旅をしたい若者や、モラトリアムを持て余しているバックパッカーといった人物像をイメージするかもしれない。しかし、実際に太田さんに会った印象はまったく異なる。

 実は太田さんは、学生向けの無料コピーサービス「タダコピ」創業メンバーの1人だ。大学2年生のときに起業、株式会社オーシャナイズを設立したが、世界一周の旅に備えて、2010年の2月に同社を退職している。

 彼はこの旅を「サムライバックパッカープロジェクト」と名付けている。そう、これは彼一人の個人的な旅ではない。5人のプロジェクトメンバーとともに進めている“プロジェクト”なのだ。

 この旅の目的は「異国のサムライ100人を探すこと」、そして「そこで得たものをネットで発信すること」だからだ。異国のサムライとは、世界各地で働く日本人のこと。日本の外で活躍する日本人に会いに行って話を聞き、その考え方や経験を発信する——彼の狙いは、それを読んだ若者にとって将来のキャリアを考える上での選択肢が広がり、「海外で働く」「グローバルな仕事をする」といったことを考えることのきっかけ、気づきになることだという。

 彼は何を考え、どのような使命を感じてこのプロジェクトを立ち上げ、実行するに至ったのか。2010年9月、出発直前に直接会って話した内容を以下詳しく紹介しよう。

●30歳までに、世界で戦える人間になるために

 太田さんは、この旅での目的を大きく3つ挙げている。

 1つ目はサムライバックパッカープロジェクトの目的である、「世界で活躍している日本人についての情報を発信すること」。冒頭に筆者が書いた話とも重なるが、太田さん自身もまた、同世代の若者を見ていると、海外離れが進んでいることを感じるという。

 「でも、日本の市場規模は縮小方向へ向かっているし、その一方で周りの国々はどんどんグローバル化している。今後日本は外国と戦わなくてはいけなくなると思うんです。特に、自分たち20代やその下の世代は、好むと好まざるとにかかわらず、巻き込まれることが見えている。多分、ほとんどの人たちは逃げ切れません。それなのに、身の回りを含め同世代の人たちは、海外で働くことや、グローバルな仕事をする、外国人と仕事をする……といったことへの興味や意識が薄れているのをすごく感じます。世界の流れとはむしろ逆行しているように見える」

 ただ、海外で働くことへ興味がわかない若者が増えている理由の1つとして、太田さんが考えるのが「情報不足、ロールモデルの不在」だ。「スポーツの世界では、海外で活躍する日本人選手が増えていますよね。でも、ビジネスの世界で日本人がどのように活躍しているかを知ることはほとんどない。ビジネスの世界で、日本人がどのように海外で活躍しているのかを知る機会が増えれば、選択肢として海外で働いてみようかと考える人も増えてくるんじゃないかと思うんです」

 2つめは「世界を見ながら修行をし、30歳までに世界で戦える人間になること」だ。サムライバックパッカープロジェクトでは、商社など海外に拠点を持つ人々を頼ったり、各国の日本人会に連絡を取るなどしながら、世界各地のさまざまな職業の人々に会うことになる。彼らとの対話で得たもの、また世界各地で見聞きし考えたものを、実行可能なビジネスアイデアとして結実したい、と太田さんは考えている。「旅が終わったとき、自分は何をしたいのか。その後に仕事として、自分が賭けられるビジネスアイデアを考えたいのです。時間はたくさんありますから」

 そして3つめとして「大きな話ですが」と前置きしたあとで「“旅”の文化や意識を変えたいんです」と言う。「『1年間、海外に行く』というと、放浪の旅だとか、キャリアに穴が空くとか、マイナスな取られかたをすることが多いですよね。でも僕は、旅している時間を、キャリアアップに充てられるような旅にできるんじゃないかと思うんです。放浪旅行ではなく、目的意識がある旅。ほかの人からも認めてもらえるような、形のある旅をしたい。そういう旅をした人が、社会から良い評価を受けられるような形にしたいんです。そうすれば『一生に一度は』と思っている世界一周を、もっと多くの人が人生計画に盛り込みやすいんじゃないかなと。まずは僕自身がその1つのケースとなれたらと思っています」

●世界一周のために、どんな準備を?

 ところで、「世界一周」をするためには、どんな準備が必要なのだろう。

 本文にも書いた通り、太田さんは大学2年生のときに「タダコピ」の運営会社を設立。20歳から25歳までの5年間を仕事中心に過ごしてきた。その中で、海外で働く人たちの話を聞いたり、上海の街を案内してもらったりする中で、日本ではなく世界を意識するようになったという。

 しかし太田さんは海外経験があるわけでもないし、1年以上という長期のプランとなれば、資金も必要になる。いきなり世界一周に行くのではなく、綿密な準備が必要だったはずだ。太田さんに聞いてみたところ、準備したことを3つ教えてくれた。

支援者を集めること

 個人的な旅ではなく、メンバーと一緒に企画・実行する「プロジェクト」であることが、サムライバックパッカープロジェクトの1つの大きなポイントだ。実際に旅に出るのは太田さん1人だが、太田さんが見聞きしたことをできるだけ多くの人に伝え、さまざまな形で情報公開するには、パートナーの協力が必ず必要になる。

 サムライバックパッカープロジェクトのメンバー(5名)のほか、Skypeや世界一周堂といった企業にプロジェクトサポーターとしてついてもらっている。また、海外でのレポートも、本誌のほか宣伝会議でも掲載中だ。

3カ月間フィリピンで語学留学

 インタビューする相手は日本人とはいえ、英語が最低限話せないことには、世界一周の旅そのものが成り立たない。流ちょうに英語を操るのではなくても、自分の意志を伝え、相手が話していることを理解できる程度の英語力は必要だ。

 太田さんは世界一周の旅に出るにあたり、その前に3カ月フィリピンへ語学留学し、ここで英語への自信を付けたという。フィリピンはタガログ語と英語が公用語であり、他国に比べて格安に英語を学ぶことができたという。フィリピンへの語学留学のメリットについては、機会があれば別記事で詳しく紹介したい。

持ち物

 スムーズに旅を続けるために重要なのが持ち物。しかし持ち物が多すぎても行動範囲が狭まってしまい、持ち物のチョイスは難しいところだ。ここではガジェット類を中心に、荷物の中身を一部見せてもらった。

 原稿やメールを書くのは、使い始めて3年目のLet's note(CF-W7)。データバックアップ用に、500Gバイトの外付けHDDも持ち歩く(耐衝撃タイプ)。ウォークマンはノイズキャンセリングタイプを使用している。携帯電話はソフトバンクのiPhone 3Gとソニーエリクソン製のグローバル対応au端末の2台。このほか、海外で安く電話を使用するためSIMロックフリーのNOKIA E5を所持。SkypeやUstream用に、ロジクール製のWebカメラも携行している。

 マグライトのほか、カナビナもライト付きのものをチョイス。コンパス、緊急時用のソーラーバッテリー、電源タップ、電源・電圧の変換プラグ、ハンディタイプの電子辞書(キヤノン製)、USBメモリ2個、LANケーブルを持参している。デジカメはソニー「Cybershot TX5」。防水、耐衝撃、防塵、耐低温が決め手で選んだそうだ。

 衣類は、バックパックでの旅なのでそう多くは持っていけない。下着、Tシャツ等は数枚ずつ、ユニクロのヒートテック上下、ユニクロのウルトラプレミアムダウンジャケットを防寒具として持参している。普段はスニーカーにジーンズにTシャツで行動しているが、フォーマルな場に出ることも考えて、ワイシャツとジャケット、黒色の綿パンツ、革靴も荷物に入れた。後は必要に応じて現地調達をする予定とのことだ。

 ちなみにこれらの荷物を入れているバックパックは、ある大学生から譲り受けたものである。Twitter上で「押入れの中に眠っている貴方のバックパック、僕が世界一周に連れていって本来のバックパックの使命を果たします!どなたか格安でお譲り頂けませんか?」と呼びかけたところ、無償で提供してくれたという。

●Business Media 誠は、太田さんのプロジェクトを応援します

 冒頭に書いたとおり、筆者も若い人には20代のうちに一度は海外に行ってみてほしいと考えている。せめて観光目的、可能なら海外で暮らしてみる経験をするとしないのとでは、今後大きな差につながるのではないか。会社勤めを始め、年を取れば取るほど、海外へ行き、そこからさまざまなことを吸収することは難しくなる。それだけに、「若いうちに海外経験を」という太田さんの考えに共感するし、応援したいと考えているのだ。

 Business Media 誠では、太田さんの「世界で見聞きしたことを発信したい!」という気持ちに応えるべく、彼が海外で取材・執筆したコラムを誠の記事として転載していきたいと考えている。なお、まとまったコラムのほか、リアルタイムなつぶやき、考えは、太田さんのTwitter(@mohideki)や、サムライバックパッカープロジェクトの公式サイトで随時読むことができる。

 25歳の太田さんの目に映る世界とは? そのエッセンスを記事として読者のみなさんにも共有していただければありがたい。来年以降太田さんがどうたくましくなって帰ってくるのか。誠読者のみなさんとともに見守りたい。【吉岡綾乃,Business Media 誠】