数週間前、中国に関する本の記事を書いたのだが、一番有名な名作『大地』パールバック著を忘れていた。
実はこの本、もちろん知っていたが読んだことがなかった。兄が学生時代読んだみたいで私に話していて家にもあったのだが、読まなかったというか読めなかった。何しろ長編で、4巻まであり、また字も細かく多分私が学生のころも読もうとは何回かしたのだけど読まなかった。
今回また図書館で借りて来て一気に読んでしまった。さすがノーベル文学賞を取ったパールバックの名作。そして今読んでも新しい。
時代は清王朝の末期、主人公の王龍の時代から始まる。お金持ちの奴隷の女を妻にし、土地を耕し一生懸命働く。元奴隷だった妻だが、寡黙な働き者で一家は徐々に裕福になる。お金を貯めてはに衰退しつつある地主の黄家の土地を買う。しかし幸福もつかの間、飢饉が訪れ村人は飢え、またお金があると思われていた王龍の家に近所の人たちが押しかけ根こそぎ持っていってしまう。一家は餓死寸前になるが、わずかのお金で汽車に乗り南の町で王龍は人力車を借り、家族は乞食をして生き延びる。その生活や凄まじい。金持ちの家の塀に沿うように、小屋で生活していたのだが、ある日暴動が起こる。金持ちの家の扉が壊され、略奪が始まる。王龍もそのとき、銀貨が手に入りそれで、家に帰ることができる。
略奪のときのお金と、妻が金持ちの家で見つけた宝石を元に土地を買い、また一生懸命働き、金持ちになっていく。一見サクセスストーリーのようだが、家族に起こる数々の苦難が描かれ、4巻まで読むと、孫の代になる。
孫の時代は多分、大正末期から昭和にかけてだと思う。中国はそのころ、内乱が始まっており、孫は、革命にかかわったとして死刑判決を受けるが多額のお金を使い命は助かり、外国に留学する。帰ってきた孫は、貧しい自分の国に嫌悪感を抱くが、最後はこの国のために働こうと言う希望で終わる。
もちろん私たちはその後、第2次世界大戦、内乱、共産党の制圧、そして文化革命とまだまだ困難が待ち構えているのが分かるのだが、とにかく、読み応えのある名作だった。