『私はなぜ「中国」を捨てたのか』石平著、という衝撃的なタイトルを見て借りた本。
予想以上に興味深い本だった。1962年生まれの著者は、四川省に生まれ、子供のころ文化革命の真っ最中だった。毛沢東の忠実な戦士だった子供時代をすごし北京大学の大学生に80年代になると、民主化運動に身を投じる。そして卒業後、四川省の大学で助手の仕事を得るが、活動に対して厳重注意を受ける。
一旦は、止めていたが、そのころ友人から誘われて、神戸大学に留学。そのさなか起こった天安門事件。著者の多くの友人が命を落としてしまう。この事件を契機に、完全に祖国中国に絶望してしまう。
本には、著者が日本に帰化するまでの心情や、中国や日本の歴史、文化などにも触れ、今の中国に対する絶望的な気持ちが伝わってくる。
私たちの知りえない、中国人たちの日本に対する感情が彼の言葉で語られると、戦慄をも覚えてしまう。もちろん一部の人たちと、書かれてあるが、昨今の反日運動や、尖閣問題があるので読んでいると中国自体が恐ろしい国に見えてくる。
著者いわく、日本には中国が忘れた古きよき時代を受け継いでいるとも言う。日本の京都や奈良、歴史文化を愛する著者、日本人の私からすると、ちょっとほめすぎ感がないではないが、まあ読んでいてうれしいものである。
私の周りにも、帰化した中国人の人たちが3人ほどいる。なぜか皆さん、日本人以上に日本人っぽい。
だけど、優秀な中国人が、祖国を捨ててしまう中国とは何なんだろうと考えさせられてしまった。
