日本医師会の羽生田俊常任理事は、3月24日の定例記者会見で、「特定看護師」(仮称)の創設が盛り込まれた厚生労働省の検討会による報告書の内容を受けて、「日医としては、今後も患者の視点と現場の意見を尊重して、混乱を招かないという立場を堅持したい」と見解を述べた。

 厚労省の「チーム医療の推進に関する検討会」が3月19日に取りまとめた報告書には、チーム医療を推進するキーパーソンとして、医師の「包括的指示」の下に比較的リスクの高い一定の医行為を担う「特定看護師」を創設することが盛り込まれた。
 素案の段階では、特定看護師が行う業務範囲を「法制化すべき」としていたが、検討会に委員として参加していた羽生田氏が、「法制化ありきの議論には賛成できない」などと反発し、最終的に「医療安全の確保の観点から法制化を視野に入れた具体的な措置を講じるべき」という表現に改められた。

 羽生田氏は会見で、看護師に保健師助産師看護師法(保助看法)を超えた業務が求められる医療現場の実状を踏まえて、「看護師の役割を拡大することには異論はない」との認識を示す一方、看護師がリスクの高い医療を行うことに国民が慎重な態度を示しているとの調査結果があると指摘。その上で、「今後、(特定看護師の業務範囲について)具体的な行為の検証がなされていく中で、患者の視点と現場の意見を尊重して、混乱を招かないという立場を堅持したい」として、特定看護師の導入に向けたモデル事業や、業務範囲の法制化の動きに注視していく姿勢を示した。


【関連記事】
「歴史的な一幕」―「特定看護師新設」で日看協・坂本副会長
チーム医療推進へ「特定看護師」創設を―厚労省検討会が報告書案
「日医のすべてを懸けて反対」―「特定看護師」創設に羽生田常任理事
看護師の業務拡大「大きく動き出した」―医福労部会
「一つの山越えた」―「特定看護師」創設で草間学長

<東京コレクション・ウィーク>秋冬物新作続々 26日まで(毎日新聞)
アパートで練炭心中か 年下男性の遺体に刺し傷(産経新聞)
“昼宴会” ちょっとお得・集まりやすい…人気(産経新聞)
交通死1000人超す=昨年と同じ日に-警察庁(時事通信)
足利事件再審 菅谷さん、法廷では笑顔なく(産経新聞)