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                腎臓を守るためのヒント集 005

 

presented by 『透析のない街をめざす委員会』

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最近の腎臓関連ニュース

太れば太るほど、腎機能は低下し、死亡のリスクも増加する

Bit.ly/2KgajP0

・・・肥満は、慢性腎臓病(CKD)の有無にかかわらず、腎機能である糸球体濾過量(GFR)の低下や死亡のリスクが増大することと関連することが明らかにされました。米国のAlex R. Chang博士らが、40ヵ国のデータを分析したところ、肥満の指標であるBMI値、ウエスト囲、ウエスト身長比とGFRの低下や死亡との関連を調べました。年齢、性別、人種、喫煙に関係なく、BMI値が30を超えるとこれらのリスクが増していた。そして、これまでと同様で、標準体重よりも少し上の、BMI2530のリスクが最も低かったという結果でした。

 

▼「腎不全や透析にならないためのヒント」

◇【体重コントロール】

 皆さんは、ご自身のベストの体重を知っていますか? 一般的には、国際的な標準指標であるBMI(Body Mass Index:体格指数)22であることが標準とされています。BMI=体重kg(身長m)2で、計算して、求めることができます。

 しかしながら、この体重は、筋肉量や体脂肪の量を考慮していません。ですから、個々のみなさんのベストの体重は、必ずしも、BMI=22とはいえません。

 ただ、腎臓の立場からみると、体重が多いと、腎臓で処理しなければいけない老廃物の産生量も増えます。ですから、ちょっと、ベストの体重をオーバーしているな、と思ったら、食事に注意して、ゆっくりと減量することで、腎臓に優しい体型になることができます。

 特に、気になる方は、最近は体の組成がわかる体重計が数多く販売されていますから、それで、毎日、セルフチェックすることも、とても大切です。

 

▼「腎臓病ってなんだ?Q&A」第三回

◇【Q:糖尿病が腎臓病の最大の原因である】イエス (YES) or ノー (NO)  ???

【正解】ノー (NO)

【ポイント解説】我が国のCKD患者、1330万人のうち、糖尿病性腎症(DN)の患者数は、1割にも満たないことが明らかです。しかし、DNを含む、糖尿病性腎臓病(DKD)の患者数は、もう少し増えます。しかし、糖尿病患者が現在、推測で約1000万人ですが、通院患者数は328万人にとどまっており、DKD患者の正確な数は不明です。

 ただ、重症の糖尿病患者は通院し、比較的軽症の糖尿病患者が未通院の多数を占めることを考えると、CKDの定義に該当する患者数は、やはり一部と考えられます。このような現況からも、まずは、軽症の糖尿病あるいは腎臓病患者の通院を促す取り組みが如何に重要であるかがわかります。

 それと同時に、「糖尿病がないから腎臓病にはなりにくい」という考えは、まったく的外れということにもなります。実際に腎臓が悪くなる人の大部分は、糖尿病以外にあるのです。その詳細は、これから、詳しく、とりあげていきたいと思います。

 

健診結果の読み方「豆」知識

◇「尿潜血」に注目!

 たかが尿検査、されど尿検査です。そもそも学校健診から、ずっと行っているからには、検査を行うだけの意義と必要性があります。尿潜血が陽性(マイナス「-」以外)である場合、大きく分けて、3つの場合があります。今回は、その1つめをとりあげます。

 その原因とは、「腎炎の初期」をあらわしている場合です。正確に言うと、「腎炎」とは「糸球体腎炎」です。「糸球体」については、また詳しく、お話したいのですが、まずは、尿を常に作っている小さな装置(直径が、1mm5分の1)のことと理解しておいてください。

 そして、糸球体腎炎とは、その大切な「糸球体」に炎症が起きていることを示しているのです。糸球体腎炎にも、いろんな種類があるのですが、ゆっくり進むタイプでは、30-40年かかって腎不全になる場合もあります。一方で、進行の早いタイプだと、1週間から半月のうちに明らかに腎機能が低下し、放置すると腎不全や透析になることがあります。