帰国生を含む国際生に人気の広尾学園インターナショナルAGについて、2月入試の結果も出揃いましたので、改めて振り返ってみたいと思います。

 

https://www.hiroogakuen.ed.jp/2023happyou/2023nyushikekka-j.pdf

 

広尾学園には、本科コース、医進・サイエンス、インターナショナルコースの3つのコースがあります。

 

インターナショナルコースは、更にアドバンスト(AG)とスタンダード(SG)の2つに分けられます。

 

各コース内容の紹介は学校HPに譲り、ここでは帰国生・国内インター生の受験オプションについて考えてみました。

 

大きく分けて国際生入試と一般入試の2つの受験オプションがあります。

さらに国際生入試ではコース併願も可能です。

 

1 国際生入試

 

国際生の出願資格は「原則、海外在住経験が1年以上あり、帰国後3年以内であること」が募集要項に記載されております。

 

この、帰国生要件や適用方針は今後変更となる可能性があり、受験生が小学校6年生(夏頃)になりましたら、募集要項や学校に直接問い合わせる必要があります。

 

また、国内インターナショナルスクールに在学している生徒、外国籍の生徒はご相談くださいとの記載があります。

 

国際生資格条件に合わない場合は、一般入試を受験することになります(後述)。

 

追加で、インターナショナルAGには「英検2級以上、または、同等以上の英語力を有する者」という出願条件が課されています。

 

12月国際生入試は、日程が二日あります。

 

インターAGが今回は12月15日、それ以外(本科、SG、医進・サイエンス)が12月16日でした。

 

もちろん、国際生資格を充足していれば、両日程併願することが可能です。

つまり、AG + (本科、SG、医進・サイエンスのどれか)の併願が可能です。

 

しかし、選考方法はインターAGが英語重視であるのに対し、それ以外のコースは英語出題がなく日本語出題の国語・算数・面接のみとなり一般受験対策をしている受験生が有利です。

 

選考方法

インターAGコース English, Mathematics, Japanese, Interview(英語/日本語)

それ以外のコース 国語、算数、面接(日本語)

 

合格者を見るとAG併願者のうち4名はAG以外のコースで合格でした。

医進サイエンス2名、本科1名、SG1名

 

また、AGとダブルで合格している受験者も7名いました。

医進サイエンス5名、本科2名

 

合格者数

インターAG          72名(併願合格:本科2名・医サ5名、特待2名)

インターSG          12名(特待2名)

本科                      38名(併願合格:AG2名、特待1名)

医進サイエンス 27名(併願合格:AG5名、特待1名)

 

受験者を見ると、インターAGが募集30名に対し296名受験し72名合格(倍率4.1)

本科、SG、医進・サイエンスが募集10名に対し261名受験し77名合格(倍率3.4)

 

複数コース合格が7名いるので、国際生入試では合計(72+77-7)の142名が合格した計算です。

 

2 一般入試インターAG回

 

国際生試験以外にもう一回チャンスがあります。

この入試は国際生資格を満たさない受験生も受けられる入試です。

 

募集は10名に対し、受験者は95名、合格者10名(特待なし、倍率9.5倍)という狭き門

 

TOEFL優遇

事前に提出したTOEFL iBT試験のスコアが90点以上の場合はEnglishの試験を免除され、0.75の係数を掛けた得点が合格判定に使われるものです。

 

スコアが90だと、Englishの得点は100点満点中、90x0.75=67.5点という計算となります。

 

2022年度はTOEFL優遇初年度だったと思いますが、相当数がTOEFL優遇を利用したと以前学校説明会で伺った記憶があります。

 

2023年度はもう少し増えたかもしれません。

 

ただし、合格判定は他の科目や面接を含めての判断となるので、TOEFL優遇を用いれば即合格できるというものではなさそうです。

 

また、TOEFL優遇を利用すると特待生合格の対象外になります。

 

それでも、受験当日の受験科目を1つ減らせるのは、負担を軽減できるのでアドバンテージですね。

 

その一方、事前にTOEFLを受験するということは、TOEFL対策の勉強や追加のコスト(早期申し込みで通常USD245)負担が発生します。

 

進学者数

学校説明会で伺った数値は手元にありますが、ここではひとまず募集人数から推定してみましょう。

 

インターAGの募集人数は、国際生入試で30名、一般入試で10名の合計40名。

それに対して合格者数は、国際生入試で72名、一般入試で10名の合計82名。

 

募集に対して2倍の合格者を出しています。

つまり、合格者の半分が広尾学園に進学し、残り半分は他の進学先を選ぶ前提です。

 

インターAG以外の国際生募集人数は、合わせても僅か10名なのに対して、合計77名の合格を出しているのは目を引きます。7〜8人に1人が進学し、大半の合格者は他校に進学する前提です。難易度が高い国語と算数の試験に合格される優秀な受験生なので、おそらく一般受験で御三家など最難関校に進学されるのかもしれません。

 

そして、その中には AGにも合格している強者が7名もいるというのが厳然たる事実です。

 

つまり、御三家レベルを狙い4科目しっかり勉強した上で英語もしっかり対策している受験生が一定数存在しているという現実が見えてきます。

 

これが帰国生入試が熾烈であることの証左です。