今日の一文字。


力強さには

深味が伴う。


とは、

例えばわたしの場合

書かれている文字について

納得のいくものが

書けたとき

作品全体だけではなく

文字自体にまで

奥行きが感じられるなぁと。


大体

薄っぺらなのは

キライなんだ。


強い弱いは

紙一重なようで

成り立ちとしては

そうでもないんだなぁと

思える

理由がある。


∞∞∞∞∞∞∞∞

さて、その成り立ち。




弘と虫とに従う。
弘とは弓弦を外した形。

その下に虫をしるしているのは
おそらくその弦は
蚕(てぐす)から抽出さしたもので
蚕の意であろう。

天蚕は松脂などを塗り
くすね糸を作る方法が
知りていたのであろう。

「強」とはその弓弦の強靭
あったことをいう。

(白川静著 『字源』より)




逆に「弱」も

形から見れば

弓に由来しているはず。

なのに何が

どうして違うのか?

これも白川説だと

弓2つに

“ちょんちょん”って

付いてるのは

飾りらしい。


装飾品としての

弓はきっと美しいのだけれど

「弱」い。


強靭である

実践用の弓弦は

やはり

「強」いのだ。




美しく

かつ

力強さも兼ね備えた

そんな文字で

わたしは

表現し続けよう。


『感じる書』アーティスト 石川呼穹