今日の一文字。
おわりに
したいのは
どんなこと?
それはそのあと
新たな
“はじまり”に
繋がりますか?
「終」の反対は「始」。
では
「完」の反対は…
何だと思います?

まず、「完」の
成り立ち
を調べてみました。
うかんむりは
屋根のある所。
元とは
首のことを指します。
遠く
戦へ出て
戦死したら
首を失うことを
兀(コツ)といいます。
「完」は
生きて
元首を失わず
廟へ
その帰還の無事を
報告することを
表す文字なのです。
そんな成り立ちを踏まえて…
では
「完」の反対は何と記すか?
わたしは
調べるまで
答えられなかったです。
答えは
「欠」です。
人が
大きな口を
空けているところ…
即ち
欠伸(あくび)のこと。
で、そこから
穴が空いている
状態を表しています。
建物で言うと
「欠」は
例えば
石積に隙間がある感じ。
対して
「完」の方の建物は
みっしりと間を塞がれた
何者をも
通さない程の出来映えなのです。
つまり
カンペキでなのです。
ちなみに余談ながら
完璧の璧は
玉石のことで
壁(かべ)とは
似て非なる文字です。

同じ
おわる意味も
糸の巻き終わりを
結んで止める様を表す
「終」わりには
「始」まりが控えている。
片や
首を取られず
無事を廟にて報告する
「完」には
おわりを完全に悟る
意味が
込められているんだなあと
成り立ちと対義語を
調べて解ったことです。
さて、
年度末を控えた
冬の終わりに
おわりにしたいのは
どんなことですか?
『感じる書』アーティスト 石川呼穹
