宀と女とに従う。


宀は祖霊を祀る寝廟の形

その廟中行われる儀礼をいう字。

ただ安静にすることをいう字ではなく

祖霊に対して安静・安寧を

求めるための行為を示す。

(白川静著 『字通』より抜粋)

「安」




いつのときもおなじ想い。


人がこの世に生を受ける。
どんな人にも
そこには果てしない
ルーツが存在する。


現世にて
送り出された今
わたしたちが祖先に対して
求めること。



わたしたちの前には
その前に
その前の人たちは
またその前の人へ…



静かな時を求めて祈り
祀ること。




もっと“ベタ”に推考することもできる。



宀は室内。家。


そこに女が居る。


男は狩りに出掛けていて
食糧を調達するための
長い旅から戻り

そこにいる女に
獲ってきた物を
差し出す。


男にとって

家は安心できる場所。


そこには
家を守る女が待っている。


腹を空かして?

待っているのは

男か?獲物(食べ物)か?


(爆)



その女は嫁?
(一般的)

はたまた妾?
(一夫多妻的にも)



あぁ

俗っぽい(苦笑)

“ベタ”過ぎる(笑)


とは言え
学者でなけれども


漢字一文字から
様々なストーリーが
自由に想像できるのだ。


いずれにせよ
安らげる空間や生活

その時間、状態を

わたしたちは

求めている。



『感じる書』アーティスト 石川呼穹