
木立の枝の上に神がくだる
その神気にあうことを
意味する字。
「逢」
先日の書塾展での
或る出来事。
毎回訪ねてくださる
塾生の知り合いのお客様
展示が始まる
1週間前に
奥様が先立たれたばかりだった。
去りゆくときの
余韻を感じる
『ごきげんよう』
という作品の前で
心がホロリとして
幾点かの作品をはさみ
最後の方で
『逢いたい』
という作品を目の前に
説明する側も
思わず
そのお客様と一緒に
泣いてしまった。
同じ作品を
鑑賞しても
それぞれの状況や
想いによって
感じかたはいろいろ。
そこに
ダイレクトに訴えかけるのも
また
想像をかき立てられるのも
書のよさ
文字のよさ
ことばのよさ
だなあ…と
わたしは思う。
“逢ってみたい”人には
ドキドキしたり
ワクワクしたり
“また逢いたい”人には
キュンと切なかったり
“もう逢えない”人には
さみしさがひときわ身に凍みる。
『逢いたい』
という作品の前で
今のアナタなら
何と感じますか?
人は出逢いと別れに
様々な想いを
巡らせる。
そして
人が生きているあいだの
偶然の出逢いですら
必然だ。
わたしとも
出逢ってくださり
本当に
ありがとうございます。
わたしは
また
逢いたいです。
『感じる書』アーティスト 石川呼穹
