TPP参加について・・韓国がお手本 | 日中ビジネスすごろく道中記

TPP参加について・・韓国がお手本

米国、インド、中国と話題が転々としていますが、今日は韓国を例にしたTPP


TPPの内容についてはいろいろ書かれているでしょうから細かくは割愛するとして、結果としては、海外から安い農産物などが入ってくるため農業にとっては打撃、逆に電機業界や自動車業界などは、これまでより安い値段で(関税が撤廃されるので)海外に売り込めるということになります。


国内の物価も下がる方向に動く訳で、牛丼などは現在の価格の半分以下と言われています。個々にいろいろな意見があると思いますが私は参加すべきだと思っています。逆に、参加しないと日本が復活できる道は無くなってしまうのではという危機感すら覚えます。


韓国については、そのスタンスや政治姿勢なども含めて見習うべきことがたくさんあるのではと思っていますがこの件についても同様。



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実は韓国も農業については随分の打撃を受けますが、それでも自由化を進めてきました。イミョンバク大統領の信念は、 【貿易立国でないと韓国は生きてゆけない】ということであり、その為にはあらゆる困難を克服する覚悟だからです。


既に韓国は世界最多の45カ国とFTA(自由貿易協定)を合意しており、着々と世界で生き抜くための環境整備を続けています。FTAに踏み切るに際しては農業関係者の反対は強く大変な障壁があった模様ですが、理解を得ながら締結を進めた結果が世界最多のFTA合意です。


実際に韓国では、農家の説得のために多くの政治家が農家に行って膝を交えて、時には飲みながら、これによって国がどうなるかと説明しながら理解を求めてきたのだそうです。結果的には、韓国の農家は減少しているものの、一定の理解を得ている。


また、韓国では自由化対策として都合9兆円(日本円換算)以上の支援を行う事も計画しており、着実に手を打ちながらも決してスタンスを変えずに進んできています。なぜなら、貿易立国でないと生きてゆけないという強烈な危機感があるからです。




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さて、日本はどうやって生き残るのでしょう。


島国であり資源もない。原材料を輸入し加工、付加価値を付けることにより、海外に売ってきた。日本は製造業がある、技術があるさといっても、原材料が入ってこなければどうにもならない訳です。更に言えば、製造業自体が生き残るためにもこのTPPは必須です。


仮に日本が参加せず、世界最多のFTAl国の韓国がTPPにも参加、関税を廃して、世界に今よりも安く商品を配給し始めたら、少なくともボリュームゾーンでは、もう日本の製造業が太刀打ちできる可能性は殆ど無いのではと私は思います(既に、サムスンなどは日本の家電メーカーが太刀打ちできないくらい の業績です)。



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製造業や高い技術をバックボーンとした輸出国である日本は韓国に取って代わられるでしょう。極端に言えばこのことは、世界の中での日本の存在意義がますます薄れるということを意味しています。


生産は企業が海外の各々の国(海外)でやれば良いさという考え方もあるとは思いますが、それこそ日本が空洞化に向かいます。更に労働機会は失われ、企業から見た場合に法人税の高い、チャンスの少ない日本に本社を置いておく意味さえないかもしれません。


食糧自給率を保つことも、自立して日本が生きてゆくためには重要です(世界が食糧不足になる未来の中で、国内農業を止めて海外に食糧を頼れば何れ酷い事になります)。そういう意味でも農業への支援や対策もとても大切だと思います。あるいは、農業が海外に輸出して生計を立てられるような道筋も考えていかなければなりません



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(実際に中国では日本製の高級野菜は売れていますし、手作りのジーンズなど関税が掛ってさえ売れている物もあります。はどこかに道はあるということでしょう)


そういうこともやりながらだとは思いますが、バスに乗り遅れることだけは避けたいものです。


国債の格付けも下がりましたが、財政にしても政治にしても、日本の全体像は本当に危機的な所まで来ています(参考:862兆円あっしには関わりのないことで・・・ )。農業を守りたいあまり、国が破たんするなどということでは本末転倒です(それでは農業も守れませんしね)。



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