ヤフーニュースで見たんだけど、橋の専門家としてひとこと言わずにいられないのでアップします。

まず、「支承」の説明がちょっと違う。車両通行時の振動を和らげる目的というより、荷重を伝達する役割とか、橋の移動を円滑にする役割と説明する方が正しい。

まぁ、それは置いといて、まず着眼すべきは、いつ設計された橋なのかということ。九州道は自分が子供のころ開通した自動車道で意外に古いはず。

wikiで調べたところ、問題の橋のある区間は昭和51年開通のようだ。ということは、設計が昭和55年以前ということになり、東名・名神と耐震設計は大差ないことがわかる。

なお、古いといってもNEXCOは早くから耐震補強に着手しており、こういった橋は既に耐震補強済みである。

ただし、「支承」そのものを補強することが困難なため、基本的な考え方としては、「支承」が壊れても橋が落ちないように、補強部材を取り付けている。


つまり、何が言いたいかというと、橋脚躯体の損傷が軽微で、支承が壊れているのであれば、それは想定通りだということ。

もちろん、橋が落ちたなら話は別だが。


これら2橋の損傷よりも、写真にあった跨道橋の落橋の方が気になる。

なぜかというと、跨道橋については、耐震対策が実施されていなかった可能性があるからだ。

これについては、だいぶ前にブログにアップした記憶があるが、地方の跨道橋・跨線橋に共通する以下の問題がいまだに解決されていないケースが多い。

①跨道橋、跨線橋の管理者はNEXCO等ではなく、上を通る道路管理者である。にもかかわらず、責任のなすりつけが生じやすい。

②下を道路や鉄道が走っているため、対策工事が困難で、難易度が高い施工計画が要求される。

③跨道橋には、斜π形式等のラーメン構造が多く、挙動が複雑で敬遠されがちである。また、これらの形式は耐震性が高いと考えられているため、優先度が下げられている。


とりあえず、落橋した跨道橋の形式が知りたいのだが・・・


ああ、そうそう。老朽化した支承の取替工事は数年前から始まっている。

たぶん、今回損傷した橋についても、支承取替の設計は終わっているのでは?

取替工事着手前に地震がきちゃったんじゃね?

それと、桁のジャッキアップで応急復旧するだけなら、そんなに時間はかからないよ。

何に時間がかかるかと言うと、どうやって恒久的に復旧をするか検討するのに時間がかかる。