高野山で一番拝見したかったのが
壇上伽藍の「根本大塔(こんぽんだいとう)」。
御本尊は胎蔵界・大日如来様。
この大日如来様と金剛界の四仏の周りを
柱に描かれた十六大菩薩が取り囲み、
立体曼荼羅を形成している。
胎蔵界の大日如来様と
金剛界の四仏が中心にいらっしゃり、
曼荼羅の胎蔵界と金剛界が
融合している空海独自の曼荼羅世界なのだとか。
拝観料が必要なはずなんだけど、
私が訪れた時は無料で拝観出来たの。
理由は分からなかったんだけど、
そのお蔭で、滞在中3回訪れさせていただいた。
不思議に思って、帰宅してから調べてみたら
結縁灌頂の日と、準備期間は
根本大塔が無料で開放されていたんだって。
根本大塔の正面に座す大日如来様は
物質的な大きさだけではなく、
その存在の大きさに圧倒される。
実際に目の前にすると言葉が出ない。
大日如来様の正面のお姿も尊いけれど、
私は横からのお姿にも、
その存在の大きさを感じたよ。
せっかく、有難い場所に行くのだから
お願い事をしようと思っていたんだよね。
でも、大日如来様を前にした途端、
この場所の意味が理解出来、
自分のお願いごとをすることが出来なかったの。
あぁ、大日如来様は
もっと大きなものを救うために、
ここに座していらっしゃるんだ。
より大きなものを見てらっしゃるんだ。
って分かってしまったんだよね。
そんな方に、
自分の個人的なお願いなんてしてはいけない。
いや、出来ない。
世界で起こっている紛争が早く終わるように、
コロナや他の疫病が無くなるように、
苦しんでいる人が一人でも救われるように。
手を合わせて、
小さいながら自分の祈りの力を
大日如来様にお預けした。
言葉無くして全てを理解させる立体曼荼羅。
「これは・・・とんでもない。」
心は激動しているんだけれど、
思考が止まり言葉が出てこない状態になった。
こんな立体曼荼羅を作った
空海様の凄さに驚愕する。
1回目、2回目と根本大塔を訪れた時は
他の拝観者も居たけれど、
庭儀結縁灌頂が終わった後に訪れた時は、
奇跡的に私一人だけだったんだ。
人が居る時は、
少し遠慮しながら手を合わせたんだけど、
一人だったので、
大日如来様の正面に正座をして、
ゆっくり手を合わせた。
慈悲深いお顔を拝見していると、
頭を垂れ、ひれ伏したい欲望にかられた。
「私を貴方様の平和の道具としてください。」
無意識に思った。
聖フランシスコの平和の祈りの一節だった。
Signore fa di me uno strumento della tua pace.
時間も空間も宗教も超えて、
真理というものの、片りんを見た気がした。
余談ですが。
根本大塔で、不思議な体験をしたんだよね。
根本大塔の中は360度見て回ることが出来て、
全ての角度から立体曼荼羅を拝見出来るの。
大日如来様から目を離せずに
根本大塔の中を回っていると、
誰かの視線を感じたんだよね。
不思議に思ってキョロキョロしていると、
四仏の阿弥陀如来様と目が合ったの。
「気のせいかな」
と思って、あっちこっち歩いてみたけど、
やっぱり阿弥陀如来様が私を見てるんだよね。
そういう作りなのかな?
有難くも、見守ってくださっているのか。
あんまりウロチョロし過ぎるなよ
って言われているのか。
直感で
「見守ってくださって。すみません。」
と思ったので、前者ということで。

