ひまわり(I GIRASOLI) | Un bel giorno di tredici

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~ある素敵な13日~

イタリアに関することを中心に、
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『ひまわり』

(I GIRASOLI  イ・ジーラソーリ)

監督:ヴィットーリオ・デ・シーカ

主演:ソフィア・ローレン / マルチェッロ・マストロヤンニ

制作:1970年

 

【あらすじ】

 

時代は第二次世界大戦中。

ナポリ人の娘・ジョバンナとイタリア人兵士・アントニオは、

海岸で出会い、そしてすぐに恋に落ちた。

明後日には戦線に出発するアントニオに、

ジョバンナは冗談めかして、こう言う。

 

「結婚をすれば兵士は12日間の結婚休暇を取れるから、結婚しましょう。

 12日後には戦争も終わってるかもしれないわ。」

 

アントニオは言い訳をしながら結婚話から逃げようとするが、

結局2人は教会で結婚式を挙げる。

 

あっという間に過ぎてしまった12日間だが、

その「たった12日間」で2人の愛は本物へと変わっていた。

 

休暇が終わり、アントニオは

ソ連(ロシア)戦線へと送られることになる。

そして、時が経ち終戦を迎えたが、

アントニオは戻らず行方不明のままだった。

 

それでもアントニオが生きていると

信じて待ち続けるジョバンナ。

とうとうジョバンナは、ソ連(ロシア)まで

アントニオを

探しに行くことにしたのだが・・・・。

 

 

全て戦争が悪い。

戦争を始めた為政者が悪い!

戦争を止められなかった国が悪い!

 

ウクライナへのロシアの侵略戦争をきっかけに、

再び注目された『ひまわり』。

オープニング、映画の中盤、そしてエンディングで映し出される『ひまわり畑』が

ウクライナで撮影されたという事で、

2022年3月頃から各地の映画館で

上映が開始されている。

 

戦争によって運命を狂わされた

男女の愛の悲しみを描いているが、

やはり根底では反戦を訴える映画だ。

 

誰もが不幸になり、悲しみ、憎しみ、

そして数えきれないほどの死人を出すだけの戦争。

そんなことは繰り返してはいけない。

 

あの『ひまわり畑』のシーンは、

「その景色の美しさと、ジョバンナ(ソフィア・ローレン)の悲しみの対比が胸を打つ」

とも言われている。

あの『ひまわり畑』って、

ただ美しいだけの花畑じゃなくて、

ヒマワリ油とかヒマワリの種として生産さえているんだよね。

 

本来であれば、美しい花畑、

豊かな食材を生み出す『ひまわり』が、

数えきれない人間の死体の上に

咲いているということを忘れてはいけないと、

この映画は言っているんだと思う。

 

ソ連(ロシア)でジョバンナの夫探しを

手伝ってくれた大使館の男性が、

ひまわり畑で彼女に語りかける。

 

「全てのひまわりや木や麦畑の下に、

 イタリア人やロシア人、ドイツ人が

    埋まっているんです。

   そしてロシア人の農民、老人、女、

   子供・・・。」

 

日本語字幕では何故か、この「ドイツ人」というところが省略されているけれど、

もともとの台詞では「ドイツ人」とちゃんと言っている。

結局「戦争に勝った国も負けた国も、

多くの国民が死んでるんです。」と、

悲しく優しい声で語りかけている。

 

 

その後のシーンも辛いシーンだ。

広大な丘一面に、枝で作られた簡易的な十字架の墓が立てられている。

数千という墓。

人間の死体が大地を埋め尽くす。

その墓、1つ1つに夫の名前を探すジョバンナ。

それでもアントニオは生きていると信じて、彼女は諦めない。

その姿が健気にも痛々しい。

 

とにかく、胸が締め付けられるような映画だね。

戦争で命が奪われ、

生き残った人間も人生が奪われ、

命は助かっても心が殺され、愛が引き裂かれ。

 

この映画を作った当時の人達は

第二次世界大戦を実際に経験している人達だ。

 

マルチェッロ・マストロヤンニも20歳前後に、

戦線に徴兵され、ドイツ軍の捕虜になっている。

戦争経験者が思い出したくない経験を思い出し、追体験しながら映画を作ってくれている。

心の傷をえぐりながら作ってくれた映画です。

 

この映画以外にも、

戦争を経験した世界中の人が

「戦争は、やってはいけない」

と語り、表現し、伝え続けてきた。

 

それでも戦争を始める為政者達は、

こんな簡単なことも分からない

「大バカ野郎ども」だと思う。

 

罪のない人間を殺すのは、もう止めろと言いたい。