なぜ無料なのか? | Un bel giorno di tredici

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~ある素敵な13日~

イタリアに関することを中心に、
楽しいこと好きなことを書いていきます。

『県立シジスモンド・カストロメディアーノ博物館』

(Museo Provinciale Sigismondo Castromediano)

に行ってきました。



なんともシンプルな外観の博物館だなぁ。



ここは県立の博物館で、入場無料なのです。


時間もあるし、チラッと見ようかと思って寄ったんだけど、

私以外誰もいない・・・。

目の前のスペースに

ちょっと飾ってある壺だけの展示なのかな?


博物館の人が一人居たので、

見学していいか尋ねると


「もちろん。入って入って。

 ここは県立の博物館でサレント半島で発見された

 陶器が展示してあるんだよ。」


簡単な説明をしてくれた。

無料だし、

1階部分にちょっと展示があるのかな?

なんて思って1階の展示スペースに行こうとすると


「ちょっと待って。上の階が一番古い年代で

 階を下るごとに年代が新しくなるんだ。

 だから、上の階から見てきて!

 このループの坂を上がると上の階に行けるからね。」


そう言って案内してくれたので、

言われるままに上の階に行ってみた。



なんじゃこの立派な展示スペース!!


入場無料だし、こじんまり展示してるのかと思いきや

なんて立派なの!!

展示数の多さが一目で分かる。



しかも、数だけじゃなくて種類も多いの!


「はぁ~・・・・これは、凄いなぁ・・・。」


博物館った瞬間は、

正直、10分くらいで観終わるだろうと思ったんだけど、

この内容の濃さは1時間でも観終わらないだろうなぁ。



昔の石版もこんなに保存状態が良い。

ちゃんと文字として残ってるし、

石版の形も崩れてないねぇ。



黒地に縦縞の白い線が溝状になてデザインされてる。

水差しかなぁ?ワインが入ってたのかな?

使いやすそう。


こっちの壺は、凄く可愛い!

川にハートが流れてるようなデザインは

現代人の私が見ても欲しくなるような可愛さ。

壺の形も可愛い。

取っ手の形が可愛い。

心の中で「可愛い」を連呼しながら色んな角度から壺を眺めた。



女性の横顔が絵が描かれた壺も素敵。

光る髪飾りと耳飾りを付けた女性は

ちょっとオリエンタルで、

優しい眼差しで遠くを眺めている。



この丸模様で描かれた

花みたいな太陽みたいなのがプーリア独特の柄なんだって。

お土産物屋さんでもこの模様のお皿が売ってた。



小さい人形は、不思議な服装をしている。

三角のフードを被って全身布で覆われてる。

なんだかモロッコの民族衣装・ジュラバみたいだね。

イタリアの人形じゃないよねぇ・・・。

紀元前にモロッコ方面から輸入してたのかなぁ?

一番右の人形は聖母子像かな?


わぁ~・・・・・、想像が膨らんで楽しい。

しかも、こういう人形が何十体って展示してあるんだよ。


展示数、種類ともに多くて素晴らしいんだけど、

それにも増して、展示物の状態が驚くほど良いの。

紀元前6~3世紀の陶器が展示されてるのに、

欠けてる物がほぼ無いの。


本当に、入場無料でいいの?

なんで無料なの?



結局、最上階のフロアを観て周るのに1時間以上かかった。

下の階に降りると、紀元前の壺が

どのようして焼かれていたか図解してある。


サレント半島の出土品は陶器だけじゃなくて、

お墓もあるんだよ。

紀元前のお墓の展示って初めて見る。


石で小さな塚を作って、そこに埋葬してたんだね。

遺骨と一緒に食器や壺も埋葬れたみたい。

死後の世界でも飢えないように願いを込めたのかな?



スケッチも展示されてた。

胎児みたいに体を丸めて埋葬したんだね。

生まれる前の世界と死んでからの世界は同じ場所なのかな。

当時の死生観ってどういうものだったんだろうね?

プーリア州って、独特の価値観がありそう。



お馴染のギリシャ神話に出てきそうな彫刻も展示してあります。

完全な形の物はないんだけど、

彫刻の後ろの壁に完全な形の絵が描かれていた。

この絵が、ちょっとゆるくて癒される(笑)。



砲弾もあるの。

こんな物まで展示してあるんだねぇ。

「土から出た物、全部観てって!」

って感じで、内容が盛りだくさんだよ。

この博物館、すごく面白い。



博物館の1階を奥に進むと、

以前教会だったであろう建物が展示スペースになってた。



天井は水色で空に浮かぶ星が白色で描かれてる。

白色の星が、まるで雪のように見えて、

空を埋め尽くさんばかりの雪が降っているみたい。



教会の天井がガラス張りになってて、

振ってくる雪を見上げてる感じしない?

レッチェの街に雪は降るのかなぁ?



女性の姿をした置物は丸みがあって可愛い。



このお皿はオランダっぽい絵柄だね。



カモの置物かな?

首の根元に穴があるけど、花とか飾るのかな。

教会に展示されてる物は紀元後に作られたっぽいよね。

陶器の置物が何点も展示してあった。



サレント半島から出土した陶器が展示してあるということで、

同じような形・デザインの物ばかりだと思ってたから、

こんなにも多種多様な陶器の展示がしてあるとは

想像もしなかったよ。


サレント半島はギリシャや北アフリカからの

玄関口になっているから、

海外からの品や技術も入って来ていたのな。

だから陶器の種類も豊富なのかもね。



結局、博物館を2時間半かけてじっくり鑑賞。

見ごたえがあって、楽しかったぁ・・・・。

陶器を観てるだけで想像が膨らむよ。


1階の出入り口部分に博物館の人が居たので、

お礼と博物館の感想を伝えた。

そして


「どうしてこんなに素晴らしい博物館が

 入場無料なんですか?」


ずっと疑問に思ってたことを尋ねる。


「ここは県立の博物館だから無料なんだよ。

 もともとは1868年にプーリア州の

 カヴァッリーノ(Cavallino)出身の

 シジスモンド・カストロメディアーノ公爵の物だったんだけど、

 県が買い取ったんだよ。

 ここはプーリア州でも最も古い県立の博物館なんだよ。」


なるほど、そんな歴史があるんだね。


「それにしても、こんなに沢山の種類の陶器が、

 壊れてない状態で展示してあるのに。

 こんなに素晴らしい博物館なのに。

 なんで?なんで無料なの?」


県立だって入場無料なんて、なかなかないよね?

もっとこじんまりした博物館でも入場料払うもんねぇ。

本当に素晴らしい博物館だから

無料っていうのが納得できないんだよね。

見ごたえがあったから、

なんなら数ユーロ払いたいくらいなのに。


私の「なんで、なんで」攻撃に


「いやぁ~。なんでって言われても。

 沢山の人に見てほしいっていうのもあるし、

 県立だから無料なんだよ(苦笑)。」


苦笑いで答える博物館の人。

そっか・・・ここは納得するか。

もう一度、博物館の人にお礼を言って出て行こうとすると


「ちょっと待って!

 入口のテーブルに置いてあるポストカード、

 それも無料だから、好きなの持って行って!

 なんなら全部持って行ってもいいよ。」


博物館の人が私を呼び止めた。

えぇ!!

入場無料なうえに、ポストカードまで無料なの?!

・・・・レッチェって太っ腹。

お金持ちの街なんだね。




お言葉に甘えてポストカードを3枚いただきました。

レッチェの建物や陶器、昔の女性を描いたポストカード。


博物館の人も感じよかったし、

本当に楽しかったなぁ。

見ごたえがある博物館だったから、

レッチェに行った際は博物館にも

立ち寄ってみることをお勧めします。



県立シジスモンド・カストロメディアーノ博物館』

(Museo Provinciale Sigismondo Castromediano)
http://www.leccenelsalento.it/museo-castromediano/