2011-2012 スペインの旅~トレド③サンタ・クルス美術館とエル・グレコ② | ネコな毎日~avec le petit bonheur*

2011-2012 スペインの旅~トレド③サンタ・クルス美術館とエル・グレコ②

2011.12.30

トレド


サンタ・クルス美術館の続き!!

『聖母被昇天(The Assumption of the Virgin )』シカゴ美術館にも同じ主題の絵があるようですね。

聖母マリアが霊魂も肉体もともに天に上げられたという場面。肉体とともに天に上げられた人間の女性は唯一マリア様だけです。


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聖書の中で、聖母の被昇天については直接記されていませんが、カトリック教会は何世紀にもわたって伝達されてきた聖伝(イエス・キリストのご昇天後、聖母マリアがエルサレムで使徒たちや信者たちとともに「こころを合わせてひたすら祈りをしていた」(使徒行録1:12-14 ))を聖書とともに大切にしてきました。この聖母の被昇天の教義も神から啓示された伝承の一部分であることをかつての司教たちが一致して認め、ピオ十二世が公に教会の教義であることを公布することによって、マリアが神の母であることを特に強調したことが考えられます。

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ちなみにマリア様が昇天された命日にあたるのが8月15日。カトリックではこの日に聖母マリアの「被昇天」を祝います。 聖母マリアは14才でおん子をみごもられ、15才でご出産になり、それから33年間おん子といっしょに暮らされ、キリストのご昇天後、12年間長生きされ60才で天におあげになられたとされています。 


そして、聖母マリアを題材として書かれた絵の中で聖母被昇天よりも有名なのが、「受胎告知」

サンタ・クルス美術館には2つの受胎告知の絵がありました。 そのうちの1つが、

『受胎告知(Annunciation )』-フアン・デ・ボルゴーニ(Juan de Borgoña)


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そしてグレコの受胎告知。


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私は聖書の中でこの場面が大好きです。

今から2000年前、ガリラヤのナザレという町に住むおとめのところに、神から遣わされた天使が訪れました。天使の名はガブリエル、そして、おとめの名はマリアです。天使のお告げは驚くべき内容でした。まだ婚約したばかりで、結婚生活を始めたわけでもないのに、マリアは身ごもって男の子を産むというのです。(昔のことですから婚前交渉はありません。)10代半ばの少女にとって、それは受け入れがたい内容でした。しかし、それこそが神の御心であり、聖霊によってすべてが導かれるとの約束を、マリアは信じたのです。マリアは天使に応えました。


「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように」。(ルカ1-48)

このマリアの言葉が大好きです。

そして、このような形で子供を宿したことを許した父ヨセフもすばらしい人です。

夫ヨセフは正しい人であったので、彼女のことが公になることを好まず、ひそかに離縁しようと決心した。
彼がこのことを思いめぐらしていたとき、主の使が夢に現れて言った、「ダビデの子ヨセフよ、心配しないでマリヤを妻として迎えるがよい。その胎内に宿っているものは聖霊によるものである。
彼女は男の子を産むであろう。その名をインマヌエル(イエス)と名づけなさい。彼は、おのれの民をそのもろもろの罪から救う者となるからである」。
すべてこれらのことが起こったのは、主が預言者によって言われたことの成就するためである。すなわち、
「見よ、おとめがみごもって男の子を産むであろう。その名はインマヌエルと呼ばれるであろう」。これは、「神われらと共にいます」という意味である。
ヨセフは眠りからさめた後に、主の使が命じたとおりに、マリヤを妻に迎えた。
しかし、子が生まれるまでは、彼女を知ることはなかった。そして、その子をイエスと名づけた。

このその名をインマヌエルと名づけなさいという場面も大好き!!


さてこうしてめでたく誕生したイエスとその家族を題材とした絵『聖家族(Holy Family with St. Elizabeth )』スペイン語でサグラダファミリアです。

残念ながら今回の旅ではエル・グレコの書いたこの絵を見ることは出来ませんでした。貸し出し中???だったようです。


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『十字架を持つ聖ドミニコ』 『アッシジの聖フランチェスコ 』


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『洗礼者ヨハネと幼子イエス』(左) 『宣教者ヨハネと洗礼者ヨハネ』(右上) 『キリストの聖顔布を持つ聖女ヴェロニカ』(右下)

茨の冠を被るキリストの顔がしるされた亜麻布を、両手で広げた女性….。彼女は聖女ヴェロニカといい、キリストが十字架を背負ってゴルゴダの丘へ向かう途中、亜麻布でキリストの顔の汗を拭ったとされる伝説の女性です。その場面はイエスが死刑を宣告され処刑されすまでを描いた「十字架の道行」というものに書かれています。興味のある方はどうぞ→



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この美術館には本当に沢山のグレコの作品があってもっとゆっくりみたかったのですが、あまり時間を割くことが出来ずに少し残念でした。