おはようございます

ちばる食堂を始めて5年が過ぎ在り方や価値を感じた市川貴章です。


昨日はちばる食堂オープニングスタッフの初期メンであり、レジェンドの孝雄さんの米寿のお祝いをちばる食堂でやりました㊗️


そのお祝いに集まったのは、孝雄さんがちばる食堂で働くことになってから出会った面々。総勢21人。改めて孝雄さんの集客力には驚かされます。

僕は、ここに価値を見出し、即決で採用したのを覚えてます。『働く』🟰『労働』。

働かせてもらってるんだからと、びしばし汗水垂らして、へーへー言いながら働くっていう古い日本っぽい風習はあるけど、高齢になりかつ認知症を患い、でも、働きたいという意欲がある人に、働くからびしばしじゃなくて、その人がどう働くことが良いのか、働くってこーゆうことだよね。たけじゃなくって、どのポジションに配置することで、強みが生かされるのか、そこを見極めて、その対価に対して、こちらは給与を払っている。


孝雄さんは、働き始めた時はすでに80歳を超えていて初の飲食店経験。そこに一般的、俗に言う『普通』を求めても何も生まれない。

孝雄さんが何が得意なのか、孝雄さんの一笑懸命を届けるポジションはどこなのか、そこで僕が配置したポジションが、スタンプおしと、客席に座ってるってポジション。


スタンプおしに関しては、とにかく真剣!

力強く箸袋に印をおす仕事は皆んなを惹きつける威力がある。その仕事ぶりったら、とてつもなく丁寧。きちんと並べて、きちんと同じ場所におす。その姿を見たお客さんは、箸袋をお土産として持ち帰ることも多かった。それだけでも、価値は十分にあった。


さらに威力があるのは、孝雄さんがただそこにいるだけという仕事。この仕事は、並大抵の人ではこなせない仕事。接客を放置し、客席に座り、お客さんに笑顔で挨拶。これだけで、お客さんは惹きつけられリピートしてくれる。飲食店においてリピート、常連客をつけることは何よりもありがたいこと。さらに凄いのは、いつの間にか寝ているってこと。


仕事中に寝るなんて!って思うけど、それを価値に変えれるのはおそらく孝雄さん以外には考えられないだろう。そして、その価値や働き方を最大限活かせるのは、きっとちばる食堂くらいだろう。


その結果、退職して2年も経つのに

誕生日イベントに21名もの人が集まってくれたんだと思う。


こーして2019年4月15日から、間お休みをしながらも、2022年4月16日の孝雄復活祭まで勤めた約3年間で稼いだ給料は予測を超えるものだった。例えるなら、就労支援B型で働く方の平均工賃の約3倍以上。


それを、初任給から一度も使うことなく、日付順に丁寧に揃えて保管していたと、その溜まった給料袋を見せてくれた



朝青龍VS白鵬、いやっ貴乃花VS曙のご祝儀くらいの分厚さだった。その大切に貯めた給料を米寿のお祝いに駆けつけてくれた方がたに大盤振る舞い。なかなか、できることじゃない。孝雄さんの凄さ、熱さを改めて感じた。


孝雄さん本当にありがとう!そして米寿おめでとう!5年前、社会に全くと言っていいほどなかった選択肢に『働きたい』と志願してくれたからこそ、ちばる食堂はオープンできた。

それから続く、素敵なご縁の数々。あの日がなければ今はない。


認知症になり、歳を重ね、いろんなことを忘れちゃうことも増える。もしかしたら、働いていたことも忘れちゃってるのかもしれない。だけど、大丈夫。僕らがちゃんと覚えてるから。


働き方の意味や価値を変えてくれたことも

若い女の子が来店した時はやたらと歩くスピードが速くなることもちゃんと覚えてるから笑