日本人は資格取得の勉強が本当に好きだと思いますね。確かに資格を取ると様々な分野の専門家として就職にも転職にも有利に働くのは間違いないです。(特に新卒者)しかし、年齢が高くなればなるほど資格があるからといって有利に事が運ぶかと言ったら決してそうでもありません。
資格といって一番メジャーで有名なのは普通自動車運転免許の資格だと思います。運転免許を持っていれば最低限の運転はできるでしょうが、それが運転が上手であることを証明するものでは全くありません。資格の本質とは「ある時点の最低限の遂行能力を公的に確認しました」ぐらいの程度。所詮そういう程度のものだと思います。
運転免許を使って仕事選びを有利に進めようとするなら、やはり経験がモノを言うと思います。「免許は持っているけれど運転はしたことがない」という人にタクシーや配送の仕事を新たに任せることはできるでしょうか?やはり経験がある人の方がより採用されやすくなるのは当たり前の話だと思います
免許だけ持っていてペーパードライバーな人がたくさんいるのと同じく、各種資格取得者もペーパードライバーのような方が国内にはたくさん居られると思います。今の仕事に直接関係ない資格をたくさん取る人も多く、たくさん勉強してペーパードライバーになるために資格を無駄に得ている人も数え知らずだと思います。(お金と労力のムダ?)
特に年齢が高くなると転職においては求める人材面において管理職経験を重視するという企業も多くなると思います。仕事の能力も大事なのですが、やはり人をまとめたり、人にやる気を起こさせる能力がある人の方が資格取得者よりも重宝されるという現実が如実にあります。
資格があることで新たな高度人材を迎え入れるとしたら相当なレベルの資格保持者が優先されるのはやむを得ないでしょう。さらに資格が無ければこれから取得してもらっても良いので資格がなくても構わないという考え方の企業もあります。資格取得以前に本人の能力向上の方が転職には一番有利で効果的だと言われます。
資格と似たようなものには学歴があると思います。世間一般的に見ても「高学歴=仕事ができる人」というわけでは必ずしもありません。もちろん魅力がある人というわけでもありません。政治家や官僚が良い例です。彼らは高学歴が多いし、経歴も華やかです。しかし、それでこの国が良くなったという実績はこの30年でほとんど見えていません。(もしかしたら無能だった可能性もあります)
あくまで能力や人物本位でその人を見た場合、学歴や資格にだまされる可能性も大いにありますね。実務能力を図るとしたら、実際問題としてその仕事をしている実績でしか能力を図ることはできません。資格の勉強は受験の勉強にも少し似ていますが、勉強だけでは能力を証明することは絶対にできません。勉強は所詮ものさしとしての尺度でしかありません。
たくさんの資格取得も趣味の範囲でやる分には無意味ではありませんが、就職や転職にそれを活かすつもりならば、その目指している業界や業務での仕事能力を上げる方が話が早いです。新卒者であればそれに関連するアルバイトをするなり、就職前にその仕事で実務経験や信頼度を高めることの方が資格取得にも増してより意味があると思います。
中高年の転職であれば、資格取得よりも管理職能力を上げる方が明らかに意味があります。資格取得の勉強なんかよりも早く管理職に昇進する方が転職条件は良くなると思います。昇進できないから転職のために資格の勉強をするという人もいるでしょうが、もしかしたら本末転倒なのかもしれません。ミドル世代でより良い条件の転職を有利に運ぶならば、逆説的にも自分の今の仕事で努力をして結果を出さなければ、どう転んでもその次の未来が広がらなくなってしまいます。