西武vsサーベラス、酷い経営権争奪の泥沼対立が残念ですね。企業も人間も、弱みがある時は藁をもすがってしまう面がありますが、サーベラスに出資を求めたのが災いしてしまいました。
資本主義の怖い部分が色濃く出てきている分かりやすい例ですね。鉄道会社はある意味で半公営企業なので、社会的な交通インフラなどを担う企業には、一定の投資での出資比率規制的な枠組みを作って、日々の利用者には迷惑がかからないようにしてもらいたいものです。
もちろんJALのようにズブズブの資本関係になってしまっても困るのですが・・・。
(以下引用)
○西武HD、悲願の再上場に暗雲…サーベラス「路線廃止」提案も(SankeiBiz)
http://www.sankeibiz.jp/business/news/130311/bsd1303112240009-n2.htm
西武ホールディングス(HD)の再上場をめぐる同社と筆頭株主の投資ファンド、米サーベラスとの対立が泥沼化してきた。
サーベラスが、今回のTOBで西武HDへの出資比率を3分の1超にするのは、ほぼ確実。発言力はさらに強まり、西武HDは経営方針の見直しを迫られる可能性がある。
西武HDとサーベラスは当初、昨年12月の東証1部上場を目指して準備を進めてきた。
再上場は西武HDにとって、前身の旧西武鉄道が有価証券報告書の虚偽記載問題で平成16年12月に上場廃止となって以来の悲願だ。
会社再編の過程で18年1月に1600億円の資本増強を行い、うち1千億円を引き受けたのが米サーベラス。「二人三脚で経営再建を進めてきた」と西武HDの関係者は話す。
だが、再上場に向けた準備の最終段階で、売り出し価格をめぐる思惑の差が表面化する。
一部証券会社の算定では1株あたり1千~1500円なのに対し、より大きな上場益を得たいサーベラスの想定は同2千~2500円と、隔たりは大きい。
サーベラスは、売り出し価格を引き上げようと、西武HDに企業価値を上げるリストラ策を提案。
具体的には
(1)西武多摩川線、同秩父線など不採算路線の廃止
(2)プリンスホテルのサービス料を現行の10%から20%に上げる
(3)JR品川駅周辺の再開発案の策定
などだ。一連の提案について西武HDは「地元に根ざした鉄道会社として、路線廃止は考えられない」(幹部)と反発。主力行のみずほコーポレート銀行も同じ考えだ。
サーベラスは主に外国人株主から株式を買い集める意向。3分の1超の取得に成功すれば、西武HDはリストラ策の実施を強いられる可能性があり、再上場が遅れかねない。