皆さん、こんにちは。

船橋市議会議員の石川りょうです。

 

25日と6日の一泊二日で、愛知県犬山市議会、岐阜県可児市議会、そして岐阜県多治見市議会の視察に行ってきましたのでそのご報告をさせていただきます。今回の視察のテーマは、市民と議会との意見交換の機会についてです。

 

まず結論ですが、市民と議会との意見交換会、あるいは議会全体(または委員会)による報告会などの機会を設定している議会に共通していることは、「機関(組織)としての議会(委員会)という概念を大切にしていること」でした。議会全体として、委員会として、共通の体験や認識を持つ機会が、市民との意見交換会であり、報告会であるという考え方です。これは素晴らしい考え方だと思います。なぜなら、議員個人や会派単位で市民の声を聞いても、それは線香花火のように小さなものです。もちろん、線香花火でも実現できることもあるでしょう。しかし、多くの会派の議員が所属する委員会全体として、全議員がいる議会として市民の声を聞き、行動に移せた方が、大きな打ち上げ花火のように執行部に対して効果があることは明らかです。より大きな政策提言につなげることも十分に可能となります。

 

ただ、それを妨げている要因は、議員による功名心です。

選挙に当選しなければ議員になることができません。したがって、議員は、委員会として、議会全体として、といったチームプレーよりも、個人プレーに走る場合が多いことは事実だと思います。しかし、いつまでもそんなことをやっていたら、本当に市民の皆さんのためになる政策も実現できないかもしれません。これは大きな損失です。もったいない。

 

いち早くそのことに気が付いた先進的な議会では、議会全体として、委員会として、市民の声を聴く機会を作り、増やしているのです。今回の視察で言えば、それが犬山市議会の市民フリースピーチであり、可児市議会の議会報告会、高校生とのキャリア教育活動であり、多治見市議会の市民意見交換会、女性議会なのです。

 

今回視察させていただいた3市は議員定数が20人前後でした。船橋市は50人という大所帯ですので、議会全体としてまとまって行動となると難しい側面があります。したがって、より多くの会派を構成員として持ち、そこでの行動や政策提言が打ち上げ花火としての効果を持ちうる単位は委員会になると考えています。委員会単位としてまとまって行動し、政策提言をすることができるようになれば、船橋市議会はもっと活発になると思いますし、もっと市民のためになる政策提言のできる議会になるはずです。

 

そのためにはどうすればいいか?

 

委員会の所管事務調査を活性化することです。

所管事務調査のテーマを複数持つことです。新しいテーマが見つかったらどんどん増やしていけばいい。逆に、解決したり、提言したりしたものについては減っていきます。

 

定例会毎に各議員による一般質問があります。

これは宝の山です。

定例会毎の一般質問の中から、各常任委員会は、その所管に関係のある質問の中から今後の発展性のありそうなものを抽出し、委員会の所管事務調査にすることです。

「なんで自分の質問が委員会に盗られるの?」という考え方をする議員もいるかもしれません。しかし、本当に政策の実効性を高めるためには、個人よりも委員会として取り上げて調査研究、そして提言した方が絶対に良いのです。そこは理解していただきたい。ちなみに、可児市や犬山市では、議員個人の一般質問を委員会での所管事務調査に加えることについて反対の意見は無いようです。いや、正確には初めの頃は反対もあったようです。しかし、委員会として取り上げた方が効果がある、市民のためになるとわかった現在では、そのような意見は無くなったという言い方が正しいです。成熟した議会です。

 

また、所管事務調査のテーマ探しのために、各委員会が関連のある市内の各種団体(例:市民環境経済委員会ならば農業組合や自治体連合会、文教委員会ならPTA連合会など)との懇談会を積極的に開催することです。すでに実施している委員会も船橋市議会の中にはありますが、ただ懇談するだけで終わってしまっており、そこからの発展性が無い。少なくとも、懇談会の後にはテーマを見つけて所管事務調査とし、その後1年間くらいかけてまとまって調査研究し、報告書をまとめて執行部に対して政策提言をするくらいの活動が求められます。

 

所管事務調査の間には、そのテーマについて、委員会と市民との意見交換会を開催することも良いアイデアだと思います。そのテーマについて、委員会がそれまでに調査研究したことを市民に報告した上で、市民からの意見を伺い意見交換をする。委員会による調査研究がさらにブラッシュアップされます。それらを報告書にまとめて委員会としての政策提言を出来れば、どれほど船橋市のためになるかと思いませんか?

 

私の目指す委員会運営とはこのような形です。

この構想を考えさせてくれた今回の視察、そして、その直接のきっかけになってくださった犬山市議会、可児市議会、多治見市議会の皆様、本当にありがとうございました。

 

201927日 船橋市議会議員 石川りょう

石川りょう公式ホームページ