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▲浦安市役所の外観(新しくて立派な庁舎です!)
 
皆さん、こんにちは。
船橋市議会議員の石川りょうです。
 
本日は、浦安市役所に視察に行ってきました。
テーマは、公共の喫煙所の設置について。
 
浦安市は、JR京葉線の新浦安駅に2か所と、東京メトロ東西線の浦安駅にも2か所の計4か所に、日本たばこ産業株式会社(JT)と協働で、公共の喫煙所を設置しています。
 
*JTによると、設置後の運営管理費(清掃など)は市の負担になりますが、イニシャルコスト(設置に係る費用など)は、その駅の規模にもよりますが、基本的にJTが負担して下さるとのことです。
 
船橋市には、路上喫煙及びポイ捨て防止条例があり、船橋駅と西船橋駅周辺地区は重点区域に指定されており、ここで路上喫煙やたばこのポイ捨てをすると、2千円の過料を科せられる罰則規定があります。
 
▲船橋駅周辺の重点区域
 
▲西船橋駅周辺の重点区域
 
何を隠そう、私はスモーカーではなく、むしろたばこは嫌いです。人生で一度たりとも喫煙したことはありませんし、たばこの煙(受動喫煙)で喘息はひどくなるわ、服に匂いがつくわで、大嫌いです。
 
しかし、公的機関(船橋市役所)が路上喫煙を禁止するのであれば、同時に吸える場所を設置(確保)することが筋ではないかと考えています。
 
そこで、市内の主要な駅前に公共の喫煙場所を設けている浦安市を視察させていただいたわけです。
 
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▲東西線浦安駅の喫煙所①
 
上の写真の手前側に水が見えると思います。
実は、この場所は小川の横にあり、河川区域内にあるため、千葉県(葛南土木事務所)の管理する場所です。そこで、浦安市は、千葉県からの許可を得て、喫煙所を設置したということです。
 
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▲東西線浦安駅の喫煙所①
 
浦安駅の喫煙所①は、パーテーションが付いているタイプです。
設置する際に、近隣のマンションから苦情が寄せられたということですが、設置後は定期的に煙の調査を実施し、問題ないことをお知らせしているということで、クレームは無くなっているそうです。
 
今の時代、船橋市でも仮に設置できるとすれば、このタイプ(パーテーション付き)であろうなと考えています。ベストなものは、屋根も付いている箱型の喫煙所ですが、屋根が付いていると建造物扱いとなってしまうため、道路法などで様々な制約が課され、設置が非常に難しいのです。
 
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▲浦安駅の喫煙所②
 
こちらは、浦安駅を出て右側すぐにある喫煙所で、交番の前にあります。
この場所は、浦安市が管理する道路上です。
 
しかし、こちらは近いうちに撤去予定となっています。理由は、市民からのクレーム。ここは、人通りが多いことと、人が通るスペースと喫煙スペースがかなり近いため、通行者に煙がかかるということです。パーテーションもありませんし、パーテーションを設置できるスペースもないため、撤去する運びとなったようです。
 
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▲JR京葉線新浦安駅の喫煙所①
 
こちらは、新浦安駅北口にある喫煙所です。
この場所も、浦安市が管理する道路上です。
 
かなり広いスペースですし、周りから隔離されています。
しかし、こちらにもパーテーションはありません。
 
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▲JR京葉線新浦安駅の喫煙所①(上から見た
 
今後、パーテーションを付ける予定は無いのですか?と質問をしたところ、上からの写真を見るとわかりやすいのですが、喫煙所を取り囲むようにスロープが設置されています。パーテーションを取り付けたところで、煙は上に登ります。現時点でもすでに、スロープを使用される方々から、こちらの喫煙所に関してはクレームが来ているそうです。難しいですよね…。
 
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▲JR京葉線新浦安駅の喫煙所②
 
いよいよ最後です。
新浦安駅の南口に設置されている喫煙所です。
この場所も、浦安市が管理する道路上です。
 
こちらに関しては、市民からのクレームは少ないそうです。
理由は、人が通るスペースから離れた場所にあるからです。
やはり、市民の理解を得るための最大の要因は、スペースがあること、つまり、煙が届かないくらい遠いところにあることです。パーテーションを付けることができればなお良しというところでしょうか。
 
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▲JR京葉線新浦安駅の喫煙所②
 
しかし、この場所にも欠点が。
ロータリーの中にあるため、横着をするスモーカーが、道路を横断してこの喫煙所に向かうため、「横断禁止」という看板とオレンジ色のネットを設置せざるを得なくなったということです。
 
しかし、今回の浦安市への視察での最大の収穫は、市(や県)の管理用地(道路など)であれば、公共の喫煙所は、法律上、設置することは可能だということです(道路法であれば第32条、河川法であれば第24条)。
 
つまり、船橋駅でも西船橋駅でも、この近隣の道路やペデストリアンデッキなどは、市が管理する用地ですので、船橋市の判断で設置が可能なのです。あとは市がやるかやらないかという政策判断なのです。
 
船橋市も、2020年のオリンピック・パラリンピックに向けて、外国人観光客の誘致を目指すと公言しています。外国の方が船橋駅や西船橋駅を訪れた時に、吸える場所がなかったらどうするのでしょうか?彼らはきっととまどうでしょう。ましてや、路上喫煙が条例違反だと知ったらショックを受けるのではないでしょうか?
 
欧米諸国では、室内では全面禁煙の国が多いですが、外には公共の喫煙所や灰皿がいたるところに設置してあり、そこでタバコを吸えるようになっています。
 
船橋市は、たばこ税として、毎年約38億円もの税金を納めてもらっています。
合法的に販売されていて、しかも多額の税金を納めている喫煙者を無下に扱うことはできるのでしょうか?
 
最後に、浦安市の担当職員の方がおっしゃっていたアイデアが興味深いと感じましたのでご紹介を。
 
喫煙にかなり厳しくなっている現代の世相を考えると、新しく外に喫煙所を設置することは難しいかもしれない。そうであれば、駅前の空き店舗などを利用して、専用の室内喫煙所として利用してみてはどうか?というものでした。駅前なので賃料は高いかもしれませんが、空気清浄機なども取り付けられますし、壁や屋根があるので、外との完全な分煙が図れます。今後の政府や国の動きを注視しなければなりませんが、可能性としてはありだなと感じました。
 
今度、市長以下、船橋市役所のスタンス(政策判断)を聞いてみようと思っています。
 
今回の視察にご協力をいただきました浦安市役所の皆様、そして、船橋市議会事務局の皆様、誠にありがとうございました。
 
2018年2月6日 船橋市議会議員 石川りょう