前の前の前?くらいに書いたブログの続きでございます。

 

母親の入院介護などいろいろありまして、更新遠のいておりました

 

 

そんなんあったっけ?という方は、上記を参照していただくと助かります。

 

要は昔々イングランドのチューダー朝(1485年~1603年)と言われる時代にヘンリー7世の息子でヘンリー8世というDQN王がやらかしてしまった数々の所業に6人の王妃が泣かされたという話です。


 

 

 

足の部分を拡大するとわかるのですが、

 

極端にひざ下を靴下止めでこれでもかと締め付けています。

こうすることによってふくらはぎが、より、協調されて、オトコらしい足に見えると当時は思われていたそうです。

 

 

 

 

しかし、こんなふうに常時、締め付けていたら血流が悪くなるのは当然の事。

案の定、ヘンリーの足にはひどい潰瘍ができ、本人は痛みに一生苦しみ続けたそうです。

いくら、医学的知識がほとんど皆無の当時でも、ニヤニヤあきれるわ

とついつい言ってしまいたくなります。

 

しかし、そんなおバカな王でも晩年は最後に王妃となるキャサリン・パーに献身的に介護してもらい幸せだったのかもしれません。

 

 

 

で、そんな彼の事はほっときまして、          

 

 

 

 

リック・ウェイクマン Rick Wakeman(1949.5.18生)

 

「鍵盤の魔術師」と言われたキーボード奏者。

 

西ロンドン、ミドルセックス生まれ。6歳からピアノを習い始め、ピアノ教師になるべくロンドン王立アカデミーに進学。クラリネットもひける。

 

しかし、高校卒業後、地元のバンドで活動していたことからもわかるようにアカデミー時代にもセッションのミュージシャンとして活躍していたことで、周囲の反対に合い中退し、ポピュラーの道へ。

 

 

このひと、イギリスでは評論家やタレントや実業家としても知られているらしく、今年のクリスマスシーズンは「不機嫌そうなオールドクリスマス・ショー」と銘打ってのライヴも予定されている。

 

不機嫌そうなオールドクリスマス?

 

 

 

 

本人は、キーボード奏者であり、タクシー会社などを経営する実業家であり、タレントであり、コメディアンでもあるという多才なお方。

 

 

自らのメタボをアピールしながら、ポテチを食べ続けるという変なブログ動画もアップしているニヤニヤ

 

 

 

高校時代にアルバム「アーサー王と円卓の騎士」の新聞広告を見て、すかさず買って聴いてみた。聴き続けたわけではないけれど少なくともあの頃はファンだった。

 

 

 

普通に新聞にROCKアルバムの広告が載っていた時代だった。

 

 

 

 

壮大な交響曲にのせたシンセサイザー。優美なマント姿。

 

最近のライヴはドラム・ソロで始まり、アレンジしてあるけれど初期は、クラシック要素満載だった。

 

 

あ?なんか声が聞こえる

 

 


これは、これはリックさん

 

すみませんなぁ

 

別に悪気おまへんのや。

でも、この時期のリックさんを語るには、まず「イエス」というバンドから語らしてもらわんとな(なぜか関西弁)

 

 

イエス YES

 

 

結成は、1968年。

ジョン・アンダーソンが、ウォリアーズというバンドを辞めて結成した。

初期の頃のメンバーは、ジョン・アンダーソン(ボーカル)、クリス・スクワイア(ベース)、ピーター・バンクス(ギター)、ボブ・ハガー(ドラム)トニー・ケイ(キーボード)。

ビル・ブルーフォード(ドラム)は一度、大学に戻るため脱退し、戻ってきた。

 

 

1970年ごろのイエス

 

その後、1971年にトニー・ケイが脱退し、代わりに加入したのがリック・ウェイクマンだった。この頃のイエスの音はサイケデリックからプログレッシブ・ロックに変化していた。

 

 

しかし、ここでちょっと問題発生。

 

この頃、リックはすでにソロ・アーティストとしてA&Mと契約していた。

A&Mの共同設立者であるジェリー・モスは彼に「ぜひ、ソロ・アルバムを」ということで、4000ポンドの前払い金と1957年型のキャデラック・リムジンを渡していた。

 

リックとしてももらっちゃたものはしかたない。      

ソロ・アルバムの制作は急務だったのである。

 

イエスのメンバーとして、1971年のツアーに参加しながらの制作にとりかかるのである。

 

この時のツアーは、そう、Fragile Tour(こわれもの ツアー)

 

イエスの4番目のアルバム「こわれもの」

 

アメリカのビルボード・チャートで4位、イギリスのUKアルバムチャートでは7位を記録した。

 

 

 

 

おさななじみの一個年下の女の子がイエスのファンで、高校時代にいろいろ語ってたような気がするが、覚えてないニヤニヤ

 

でも、アルバム一曲目のこの曲はよく聴いていた。最高。

 

 

 

https://youtu.be/kmZoQFYYx8U

Roundabout(ラウンドアバウト)

今は亡き人格者のクリス・スクワイヤ、ロジャー・テイラーばりのイケメンだったが老化の速度が早く、落ち武者のようになってしまったスティーブ・ハウ、ほとんど面差しが変わらないジョン・アンダーソン。

そして、メタボなんて知らない頃のリック・ウェイクマンと役者が揃って、絶頂期のイエスだった。

 

 

 

こちらはジョジョ版

 

 

しかし、リック自身はこのツアーには満足してなかったらしく、ソロ・アルバムの構想を練ることで、自身を励ました。

 

ヘンリー8世と6人の妻の一曲目「キャサリン・オブ・アラゴン」の基礎はこの頃にできたものらしく、もともとイエスのアルバムに入れるはずだった。

 

「こわれもの」というタイトルはトライデントスタジオのスタッフが、テープの盗難や偽造を防ぐために収納ケースに「取扱注意」というラベルをつけとくといいとすすめたところから生まれたというエピソードがある。

 

 

 

で、なんでヘンリー8世とその妻を題材にとったのかというと、こわれものツアーの時、空港で買った4冊の本の中にスコットランドの女性作家ナンシー・モリソンのヘンリー8世のプライベート生活を書いた作品があったのが、きっかけ。

 

その中のアン・ブーリンのくだりを読んだとき、アルバムのコンセプトがビビっときたらしい。

 

 

 

よぉし、このど~しようもない色欲魔の王とそれに翻弄されたかわいそうな女性たちの事を曲にするぜ!

アン・ブーリンの処刑シーンなんてイメージするだけでワクワクするぜっと思っていたかどうか。

 

しかし、このアルバムもクイーンと同じく、発売当初にはイギリスメディアには酷評された。まあ、批評家が見る目がないのはいつもの事だけんね。

 

 

トラック・リスト

  1. Catherine of Aragon キャサリン・オブ・アラゴン
  2. Anne of Cleves    アン・クレーブス
  3. Catherine Howard  キャサリン・ハワード
  4. Jane Seymour    ジェーン・シーモア
  5. Anne Boleyn 'The Day Thou Gavest Lord Hath Ended アン・ブーリン
  6. Catherine Parr          キャサリン・パー

 

ジェーン・シーモアの曲はセント・ジャイルズ=ウィズアウト=クリップルゲート教会のオルガンが使われており、最もチューダー様式をまねていると言われている。

 

 

アンブーリンの曲の中にはイギリスでは人気曲であるジョン・エラトンの讃美歌である「主よ、あなたが与えられた日は終わります」が使われている。

 

 

1536年5月31日 アンブーリンはロンドン塔で処刑される。

 

 

私は、音楽を言葉で表現するのは苦手だけど、一曲目キャサリン・オブ・アラゴンのエキセントリックなイントロが大好きだ。

 

 

ピアノ、ハモンドオルガン、ドラムそしてシンセサイザーとコーラス、陰から陽へと曲調が変わるところは、つらい結婚生活を送り、ヘンリーから見捨てられながらも、国民からは慕われ続けた王妃の生涯を思わせる。

 

 

 

https://youtu.be/aDuBhDzjYyI

 

 

 

このアルバムのパフォーマンスをリックはキャサリン・ハワードゆかりのハンプトン・コートでやりたいと1973年に申し出るが、実現できず36年後の2009年に実現する。

ハンプトン・コート宮殿の外に5000人収容の特設ステージが設けられ、彼のバンドザ・イングリッシュロックアンサンブルと英国室内合唱団、オーケストラヨーロッパの出演で演奏された。

 

 

https://youtu.be/Z7xNQwGLpcM

 

曲名はキャサリン・ハワード

 

 

彼はまた、クイーンの良き理解者でもあった。

 

クイーンがサンシティでツアーを行うという事になった時、イギリスのマスコミは、

「アパルトヘイトに加担するのか」とめちゃめちゃ批判し、音楽家協会からも除名処分を受ける。

 

しかし、リックは「クイーンを100パーセント支持する」宣言をした。

 

彼自身も南アフリカでアルバム「地底探検」のライヴをやった時、ズールー族、アジア、白人の人種が混じったオーケストラをバックに演奏した。

マスコミには案の定めちゃくちゃ叩かれたが、彼はこう言う。

 

 

「クイーンが南アフリカに行くと言った時、心から喝さいを送った。音楽はみんなのもの、性別の壁も文化の壁も人種の壁もない」

 

 

そんな彼はアルバム「ピアノ・オデッセイ」でクイーンの曲をカバーしている。

 

 

 

 

齢70歳の鍵盤の魔術師は、生活習慣病に悩まされながらも、アルバムを次々とリリースし、ライヴもこなす現役バリバリの爺様なのである。