こちらの記事の続き。今回は9位帝京大から。

 

 

 

 

  帝京大学 小野隆一朗(4年)

 

7区2位 1:02:44

 

【シード権を呼び込むエースの意地!】

 

2年ぶりのシード権を狙う帝京大。9月にコロナに罹患し、秋は万全でなかったエースの小野を7区に起用。山区間でやや失速し、12位で襷を受けることとなる。すると序盤から好ペースを維持し見た目で6人抜き。総合順位を11位に上げて見せた。しかし帝京大にとっては不運なことに、10位でスタートした中大が小野を上回る区間賞の走りでシード権との差は開くことに。

 

 

とはいえ、小野も区間歴代11位の素晴らしいタイムで区間2位。シード権圏内に順位を上げたのは8区の島田だが、仮に小野がこれより1分遅いタイム(それでも区間9位)だっただけでシードラインとは3分離されることに…。流れが大きく変わってきたリスクもあった。そう考えるとこの7区にエースを投入し流れを作りに行く作戦は大成功だったと言える。また、小野個人としても三大駅伝で最高の成績。有終の美を飾る見事なラストランだった。

 

 

 

  大東文化大学 菊地駿介(4年)

 

5区4位 1:11:41

 

【山で6人抜き、山の大東復活ののろし!】

 

昨年は急遽の5区起用、今年は勝負をかけて同じ5区に登場。14位とシードラインよりも後方で襷を受けながら期待に応える快走を見せた。法大の選手と競り合いながら確実に順位を上げていく。終盤は法大も振り切り最終的には6人抜き区間4位の快走。6区には昨年好走している佐竹が控えており、一斉スタートにこそ巻き込まれたものの、非常に良い流れで翌日を迎えることに。その役割は非常に大きかった。

 

予定通りの走りというのはなかなか難しい。しかも襷を受けた時点では前が見える位置だったとはいえ、それまでの4区間は全て区間二けた。下位チームも大きくは離れてはおらず、少しの失速で巻き込まれてしまう可能性のある位置だった。流れを大きく変えた点も大きく評価されるべきだろう。

 

 

 

  東海大学 兵藤ジュダ(2年)

 

【インターハイ800m王者、初の箱根を快走】

 

1区5位 1:01:33 

 

高校時代にはインターハイ800mを制した経験を持つスピードランナーが初の箱根路を快走。大エース石原が往路メンバーからは外れ、勢いをつける大事な役割を担うことに。先頭集団は見送りつつも、第二集団には終盤までしっかり食らいつく。結果的には2位と僅か8秒差の区間5位。タイムも61分半ばと申し分なし。見事な箱根デビューとなった。

 

チームはその後4区終了時点まで一桁順位をキープするも、区間順位2区以降全て二桁。兵藤が出遅れることなく稼いだことで、失速区間はありながらも最終区までシード権争いに踏みとどまることができた。来年度はエースとしての活躍に期待が膨らむ。

 

 

 

 

  国士舘大学 生駒直幸(2年)

 

【国士大の鬼門を見事攻略】

 

3区12位 1:03:45 

 

国士大にとって箱根駅伝3区は鬼門区間。第88回大会で藤本拓さんが区間3位の走りを見せていたが、それ以降は常に下位に低迷。近年は2区の留学生が順位をあげながらも、この3区で流れを止めてしまっていた。しかし今回は違った。元々この区間の攻略に意欲を見せていた生駒が満を持して登場。終始安定したペースを刻み、区間12位ながら藤本さん以来の63分台で3人抜き。18位から15位へ順位を押し上げて流れを後続へ向けて流れを作ってくれた。

 

 

今回は2区終了時点で18位と近年では最も低い位置。しかしここで生駒が仕切り直してくれたことにより、4,5区も奮戦。往路はは10位と僅か3秒差の11位!復路もアンカーまでシード権争い。最後は惜しくも及ばなかったものの、ここ15年では最も高い水準でレースを展開。流れに飲まれかけていたところ、一区間で状況を大きく好転させた生駒の貢献度は非常に高かった。

 

 

 

  中央大学 湯浅仁(4年)

 

【中大の駅伝男兼ゲームチェンジャー】

 

4区3位 1:01:44

 

体調不良者が続出し、出場の危機にすら晒されていた中大。往路についてはほぼ想定通りのオーダーが組めたものの、1~3区の選手は万全ではなく3区終了時点でチームはまさかの総合18位。優勝争いはおろか、シード権争いすらままならない危機的な状況に陥ってしまった。

 

しかしここでキャプテンが魅せた。序盤からハイペースを維持し見事な5人抜き。2分半近く離れていた10位との差は気づけば40秒を切っていた。ここで流れを断ち切ったことで、このあとはしばらく善戦。6区ではシード権内に突入し、7区の吉居駿の区間賞も呼び込むことに。結果的にシード権は逃すこととなったが、苦しいチーム状況のなか優勝候補の意地は見せられたはず。その巻き返しのきっかけとなったのは間違いなく湯浅主将の走り。思いは確実に後輩に引き継がれているでしょう。

 

 

  立教大学 馬場賢人(2年)

 

3区8位 1:02:48

 

【争う対象を下位からシード権へ】

 

昨年は55年ぶりに本選復帰。最後まで襷を繋ぎ切り、復帰二年目の今回は本気でシード権を狙いにきた立大。しかし1区2区と上位・中位争いからはこぼれ落ち、3区馬場に襷が渡った時点では21位。参加校が多いとはいえ、前回より厳しい位置でのスタートとなってしまった。

 

これ以上の遅れは避けたいところで馬場が好走。順位は二つアップにとどまったものの、区間8位で中位争いにタイムで大きく接近。終盤は優勝候補の中大の背後にまで迫った。流れを作り直したことでこの後レース展開は大きく変化。一度も順位を落とすことなく、最終的には総合14位でフィニッシュ。シード権こそ獲得できなかったものの、来季に繋がる好レースをつくるきっかけとなったのは間違いない。

 

 

 

  日本大学 安藤風羽(3年)

 

3区4位 1:01:56

 

【復帰初年度で鬼門区間でを貯金区間に】

 

国士大同様、日大にとっても鬼門区間は3区。留学生が2区で順位を上げながら、3区で区間下位に沈みレースの流れを手放すことが多かった(96回大会は区間8位の好走があったが)。今回も2区には予選会個人1位の留学生キップケメイが控えており、その流れを切らないことが求められていた…と思われた。

 

しかしそのキップケメイが区間10位と伸び切らず、逆に順位を落とすことに。ここからはどれだけの落ち込みで耐えられるかと見ていたのだがこれは失礼。なんと区間4位の好走。中継所前では3名で熾烈な総合4位争いを展開していたがそちらも制し総合4位に浮上!日大が3区終了時点で5位以内にいるのは86回大会以来14年ぶりのこと。桜の旋風が吹き荒れていた。

 

西村・下尾といった強力な4年生が来季は抜けるが、見事日本人エースが誕生。来年度以降への希望の光となった素晴らしい好走だった。

 

 

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