高崎自然歩道説明板
「鹿島神社と防人」
高崎市山名町の高崎自然歩道を山名城址から根小屋城址に向かう途中に「鹿島神社と防人」の説明板があります。そして、この説明板の建つ峰の麓、根小屋町には鹿島神社が鎮座しています。この神社は、毎年８月７日の鹿島神社の七日火の花火が有名です。
【鹿島神社と防人(さきもり)の説明板】
飛鳥時代この国の若者は、碓氷(うすい)の嶺を越え、遠く筑紫(つくし)の国の防人(さきもり)として召されて行った。
日の暮れに碓氷の山を越ゆる日は
夫(せ)なのが袖もさやに振らしつ
上代、東国(あずまのくに)の防人は国を立つとき、鹿島の神を祀ったという。鹿島立である。この尾根道の東の麓に鹿島神社がある。その昔この地から筑紫へ召された若者がいた。残されたものが鹿島立ちを祝った場所に、鹿島明神の祠を建てて若者の無事を祈った。その若者は再び故郷の土を踏むことができたのか…その址に鹿島神社が残った。いつの頃からか神社では毎年８月７日に七日火という万燈花火を打ち上げて、祖霊を慰めるようになった。
根小屋鹿島神社
【筑紫へ向かう防人】
防人（さきもり）は、今から1,353年前の西暦663年に朝鮮半島の百済(くだら)救済のために出兵した倭軍（わぐん・古代の日本軍）が白村江（はくそんこう）の戦いにて唐・新羅の連合軍に大敗したことを契機に、唐が攻めてくるのではないかとの憂慮から九州沿岸の防衛のため設置された辺境防備の兵である。任期は3年で諸国の軍団から派遣され、任期は延長される事がよくあり、食糧・武器は自弁であった。大宰府がその指揮に当たり、壱岐・対馬および筑紫の諸国に配備された。当初は遠江以東の東国(あずまのくに)から徴兵され、その間も税は免除される事はないため、農民にとっては重い負担であり、兵士の士気は低かったと考えられている。徴集された防人は、九州まで係の者が同行して連れて行かれたが、任務が終わって帰郷する際は付き添いも無く、途中で野垂れ死にする者も少なくなかったという。西暦757年以降は九州からの徴用となった。
鹿島神社の花火
