総合感冒薬 | 筑波大学スポーツ医学・向井直樹のブログ

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上気道炎の症状が続いているため,勤務先近くのドラッグストアで総合感冒薬を購入しました.アセトアミノフェン,ジヒドロコデインリン酸塩,クロルフェニラミンマレイン酸塩,dl-メチルエフェドリン塩酸塩,無水カフェイン,グアイフェネシン,リボフラビンの配合剤ですが,依存性を示す成分があるため購入時に説明を受けて署名をしました.一応医師免許保持者なんで知っていることでしたが,おとなしく説明を受けました.

 

服用した結果ですが,劇的に症状が緩和しました.しかしこの成分のうちdl-メチルエフェドリン塩酸塩は「競技会検査で禁止される物質」に該当するので,競技会前数日は服用を避ける必要があります.体内からの排出には個人差があるため,競技者も参加する雪上実習の救護薬にはこれ入れていません.あくまでも個人用です.体内に吸収された薬物がほぼ全て排出される期間である「ウォッシュアウト期間」が世界アンチ・ドーピング機構(WADA)によって示されている物質もありますが,dl-メチルエフェドリン塩酸塩はWADAがそれを示していません.一般的には7日間あければ尿中から検出されることはないと考えられていますが,確実とはいえません.

 

禁止物質が含まれていない総合感冒薬も少ないながらあるので,それを選ぶ方が安全です.ストナアイビー,パイロン PL 錠,パイロン PL 錠ゴールド,パイロン PL 顆粒 Pro,パブロン S ゴールド W 錠,パブロン S ゴールド W 微粒などが競技会時でも使用可能です.