大キライ

 

 

お気に入りだった胸の開いたチュニックを
何も言われずに選んでいいんでしょ?

カロリー高いから我慢していたカヌレも
今日は好きなだけ食べてもかまわない


あなたがいないから ひとりでいられるから
ありったけの大スキをぜんぶ並べられるから

だから大キライ 私らしく笑っていたいのに 
鏡の前 コートの襟から出て来たりしないでよ
だから大キライ これくらいで変わったりしないから
あなたも・・・あきらめてよね

趣味じゃないけれど貰ってあげた時計も
ちょっと派手過ぎる金色のピアスも

ふたりで居る時の方が不自由だったし
ひとりで味わえる幸せも知ったし

涙を隠すのも慣れっこだったのにね
くすぐったいくらいの痛みが恋しくて

だから大キライ 私らしくぼんやりしたいのに
紅茶の前 コートの袖から出て来たりしないでよ
こんなことで傷ついてあげたりしないから
あなたも・・・ひとりで居てね

たぶん一瞬だけでも 何処かに目を背けたら
この日常はきっと涙で滲む

だから大キライ 私の手を振りほどいたくせに
頭の中 何食わぬ顔で優しくしないでよ 

だから大キライ 私らしく前を向きたいから
睫毛の向こう 知らない顔して通り過ぎちゃってよ 
だから大キライ 大キライって…キライって思えたら 
 

あなたを忘れてあげる