ナイショの話
転ばないようになって差し出した
僕の手をすっと払いのけて
君はまるで紋白蝶のように
白詰草の空を駆けてく
あの頃の僕と君はきっとね
駆け上がる丘のその向こうにも
同じ景色が広がっていると思っていたんだね
今日はどうしたの 君はずっと俯いたままで
初めて一緒に遊んだ時のように黙り込んで
君にね 恋をしたことさえ気づかずに
隣に座っていた
顔を覗き込んだら 君はあっちを向いた
じゃあ 誰にも言わない これは ナイショの話
君は今 何を思い出して悩んでいるのかな
たくさん一緒に遊んで 君を見て来たはずなのに
大人になったような顔して見せるから
なんだかね 寂しかった
涙なんていらないよ どうか笑ってほしい
じゃあ 君には教える 僕の ナイショの話
明日なんていらないよ ずっとこうしていたい
そう思っているのは 君に ナイショの気持ち
じゃあ 誰にも言わない これは ナイショの話